脳には2つのクセがあった

神経細胞が集まって構成された脳組織では、好きになる、理解するなどといった機能が生み出されますが、この機能を守るために第2段階の本能が生まれます。

それが、「自己保存」と「統一・一貫性」という2つの「脳のクセ」です。 前者は「脳は自分を守ろうとする」、後者は「脳は統一性、一貫性が保てなくなるような情報を避けようとする」ということ。自己保存は、「生きたい」という本能に根ざしたものでもあります。

2つのクセは、脳が発達するプロセスで獲得する、いってみれば後天的な本能で、とくに成長に伴って自我が芽生えると、より顕著に表れてきます。

「自己保存」は「生きていくために自分を守る」という意味で大変重要ですし、「統一・一貫性」は「正誤を判断する」「類似するものを区別する」「話の筋道を通す」といった、プラスの作用をもっています。しかしその半面、脳が間違いを犯したり、脳のパフォーマンスを落としたりする原因になることもあるので、注意が必要です。

非常にわかりやすいのが、「自分と反対の意見を言う人を嫌いになる」という反応です。冷静に考えれば、意見が違ったからといって、それを言う人のことまで嫌いになる理由はないはずです。

ところが、脳は自らの意見と異なるものを「統一・一貫性」からはずれるために拒否します。また「自己保存」が働くことによって自分を守ろうとするため、相手の意見を論破しようとすることさえあるのです。


脳が考えを一つにまとめる仕組みとは

情報を取り込み、感情を付与し、理解し思考する➖脳はこの一連の動きを経て、気持ちや心、信念を含む一つの考えをまとめ上げます。

脳がまとまった考えを生み出すことができるのは、瞬時に情報が脳内を駆け巡る仕組みがあるからです。

脳の情報伝達の仕組みを理解するうえでヒントになるのが、1998年に米コーネル大学の心理学者が「nature」誌で発表した「スモール・ワールド」の考え方。

友達から友達へ、さらにその友達へと情報を伝えていけば、いずれは知り合い全員の間で情報が共有されますが、ここで、直接の友達を飛び越えて情報を伝達するルートがあると、情報が伝わるスピードが一気に加速する。 これが、スモール・ワールドの考え方です。

実は、脳にある膨大な数の神経細胞も、同様の方法で情報伝達を行なっています。

脳は、こうして共有された情報を統一してまとまった考えを生み出すわけですが、それはどのような仕組みによるのでしょうか?

脳の神経細胞は、常にわずかながら自発活動しています。そこに情報がもたらされると「発火現象」が起こります。

つまり、そうやって脳の神経細胞が興奮すると、そのまわりにある神経細胞も同期発火を起こし、その現象が次々と波のように伝わって、やがて一つのループを発生させるというわけです。 このような「同期発火の連鎖」によって、脳内の情報がまとまると考えられています。


他者の存在は作業にどう影響する?

個人の習熟度によって作業効率が変化する

周囲に自分以外の人がいることで、やる気が出て作業効率が高まるというケースがあります。他者の存在によって作業量が変化するという現象に着目したトリプレットは、糸巻き実験を行いました。

この実験は、釣り糸を巻くリールを改造し、糸巻き機を作成、それを使って一定の長さの糸を巻く作業を行う場合、ひとりで巻くのとふたりで巻くのとでは作業スピードがどれだけ変化するのかを比較しました。

結果は、ひとりで巻くよりもふたりで巻いた方がスピードが速くなることが判明。F•H•オルポートは、こうした現象を「社会的促進」と名付けました。

しかし、必ずしも他者の存在が良い結果を生むとは限りません。例えば、会社でプレゼンを行う際、他者がいることで緊張してしまい、うまくプレゼンができなかったことはありませんか?

このように他者の存在によって作業の質や量が低下する現象を「社会的抑制」と呼びます。なぜ、社会的促進と社会的抑制が起きるのでしょうか? ザイアンスは、それらをわける鍵は、個人の習熟度にあると考えました。

物事に対して慣れているかどうかで社会的促進と社会的抑制のいずれかが起きるというわけです。

先ほどのプレゼンを例に考えると、プレゼンに慣れているAさんは、他者がいるとむしろ張り切って自分の企画を提案できますが、プレゼンに慣れてないBさんは、他者の存在が気になって緊張してしまい、自分の企画をうまく提案できません。Bさんのような社会的抑制を避け、促進効果を得るためには、その物事に対して経験を積むか知識を高めることが必要となるわけです。

One of the biggest challenges facing us is the increasing disparity in wealth and income which has become obvious in American society in the last four decades or so, with all its pernicious effects on social health.

Thomas Piketty’s data-backed tour de force, Capital in the Twenty-First Century(2013), gave us two alarming pieces of news about this trend: Inequality is worse than we thought, and it will continue to worsen because of structural reasons in our form of capitalism, unless we do something.

The top 0.1 percent of families in America went from having about 7 percent of national wealth in the late 1970s to having about 25 percent now. Over the same period, the income share of the top 1 percent of families has gone from less than 10 percent to more than 20 percent.

Quite a few people still assume that, even if wealth and income are more concentrated, America is the land of opportunity and those born with very little have a good chance to move up in economic class, but a depressing number of studies show that, according to the standard measure of inter generational mobility, the United States ranks among the least economically mobile of the developed nations.

Piketty shows that an internal feature of capitalism increases inequality: As long as the rate of return on capital (r) is greater than the rate of economic growth (g), wealth will tend to concentrate in a minority, and that the inequality r>g always holds in the long term. And he is not some long-wolf academic with an eccentric theory of inequality. Scores of well-respected economists have given ringing endorsements to his books central thesis, including Nobel laureates in economics such as Robert Solow, Joseph Stiglitz, and Paul Krugman.

Krugman has written about Piketty as follows: Not only does he offer invaluable documentation of what is happening, with unmatched historical depth, but he also offers what amounts to a unified theory of inequality, one that integrates economic growth, the distribution of income between capital and labor, and the distribution of wealth and income among individuals into a single frame.

The only solution to this growing problem, it seems, is the redistribution of the wealth concentrating within a tiny elite using instruments like aggressive progressive taxation (such as exists in some European countries that show a much better distribution of wealth), but the obvious difficulty here is that political policymaking is itself greatly affected by the level of inequality.

This vicious cycle makes things even worse. It is clearly the case now in the United States that not only can the rich hugely influence government policy directly, but also that elite forces shape public opinion and affect election outcomes with large-scale propaganda efforts through media they own or control. This double-pronged attack threatens democracy itself.

The resultant political dysfunction makes it difficult to address our most pressing problems for example, lack of opportunity in education, lack of availability of quality healthcare, man-made climate change and, not least, the indecent injustice of inequality. I’m not sure if there is any way to stop the growth in inequality we have seen in the last four or five decades anytime soon, but I do believe it is one of the important things we have learned more about in the last couple of years.

[全訳]

私たちが直面している最大の課題の一つは、過去40年ほどの間にアメリカ社会で明らかになってきた富と所得の格差の拡大であり、それが社会の健全さに及ぼしてきたあらゆる有害な影響である。トマ・ピケティのデータに裏付けられた力作「21世紀の資本」(2013)は、この趨勢に関する二つの驚くべきニュースを私たちにもたらした。つまり不平等は私たちが考えていたよりもひどいということと、何か手を打たなければ現代の資本主義の形態に本質的に備わっている構造的な理由のために不平等は悪化し続けるだろうということだ。

アメリカの世帯の上位0.1パーセントは1970年代末にはアメリカの富の約7パーセントを所有していたが、今ではおよそ25パーセントを持つに至っている。同じ期間の間に上位1パーセントの世帯の所得の割合は10パーセントに満たなかったものが20パーセントを越えるまでになった。かなり多くの人々がたとえ富と所得がより集中するようになっているとしてもアメリカは機会の国であり、ほとんど何も持たずに生まれてくる人たちにも経済的階級を上昇する機会が十分にあるといまだに考えているが憂鬱になるほど多くの研究が示しているのは世代間移動の標準的な尺度に従うと合衆国は先進国の中で最も経済的流動性が低い国の一つに位置づけられているということである。

ピケティは資本主義に内在する特徴が不平等を増すー資本収益率(r)が経済成長率(g)を上回っている限り富は少数者に集中する傾向を示すだろうーということ、そして長期的に見ればr > gという不平等は常に続くということを示している。しかも彼は常軌を逸した不平等説を唱える一匹狼の学者か何かではない。多くの名高い経済学者が彼の本の中心的な主張を強く支持してきた。そこにはロバート・ソロー、ジョセフ・スティグリッツ、ポール・クルーグマンのようなノーベル経済学賞の受賞者が含まれる。クルーグマンはピケティについて次のように記している。

彼は現在起こっていることの計り知れないほど貴重な証拠資料を比類なき歴史的深さで提供しているだけでなく、不平等の統一理論に等しいものを提供しているのだ。それは経済成長、資本家と労働者の間の所得の分配、個人の間の富と所得の分配を単一の枠組みに統合する理論である。

この拡大しつつある問題に対する唯一の解決策は積極的な累進課税のような方法(はるかにうまく富を分配していることを示す一部のヨーロッパの国々に存在するようなもの)を用いて少数のエリートに集中している富を再分配することであるように思われる。しかしここで明らかに困難なことは政策決定それ自体が不平等の度合いに大きく影響されるということだ。この悪循環は事態をさらに悪化させる。

合衆国では今や富裕層が政府の政策に直接大きな影響を及ぼすことができるということだけでなくエリート層が自分たちが所得または支配しているメディアを通じて行う大規模な宣伝工作によって世論を形成し選挙結果に影響を及ぼしているということもまた明らかに事実である。この二方向からの攻撃は民主主義そのものを脅かしている。

その結果として生じる政治の機能不全によって私たちの最も差し迫った問題に取り組むことが困難になっている。例えば教育機会の欠如、質の良い医療を受けられないこと、人間が生み出した気候変動、そしてとりわけ不平等の目に余る不公正である。過去40年から50年の間に私たちが目にしてきた不平等の増大を近い将来に止める方法があるのかどうかはわからない。しかしそれはこの数年の間に私たちが知識を深めてきた重要なことの一つであると私は強く信じている。

自分の基準を上げる

成功するためにできることはたくさんありますが、それはたった一つの簡単な決定から始まります。

それは、「自分にできる最高のことをする」と決意することです。中途半端な努力は問題外です。

自分に課している基準を上げましょう。実に単純なことのように思えるかもしれませんが、あなたが自分に課している基準は、あなたが結果を出すためにどれだけのことをするかということと、深いかかわりがあるのです。

ところで、「基準」とは何でしょうか。それは、自分がベストを尽くしたと感じることのできる業績の測定値のことです。 あなたは業績がその基準に達すれば満足します。言い換えれば、あなたが自分の基準を超える業績を上げることはめったにないということです。

自分の基準を下げてしまうと、その瞬間に潜在能力を限定してしまいます。その結果、自分の能力を存分に発揮して世の中の人々と共有できなくなるのです。だからこそ、私たちは自分に最高のものを要求する必要があるのです。

あなたが自分に課した基準は、あなたが結果を出すためにどこまで挑戦するかということと密接な関係があります。

妥協してはいけません。もっと多くのものを自分に要求しましょう。それを実行するのは難しいですが、あなたの人生の質を決定する鍵は、あなたの手の中にあります。

自分の基準を上げると人生で多くのものを手に入れて、その他大勢から抜け出すことができます。

成功者は常にそうしています。その結果、当初できると思っていた以上のことをし、より多くのことを成し遂げ、高い地位につき、自信と自尊心を高めることができるのです。

ゴールへのプロセスに臨場感をもっていく

現在の自分よりも高いところに設定された自己イメージを、強い臨場感をもって思い描くことができたなら、創造的無意識はそこへ向かって働きます。 その力を活用すれば、まさに「創造的に」望ましい未来が現実のものとなります。

問題は、創造的無意識が勝手に働いてしまうくらいのリアリティがある自己イメージを作れるかどうかです。要するに、「そうなりたい自分」にどれだけ臨場感を抱けるか、ということです。

常に高い自己評価をもち、それに強い臨場感を維持できる人だけが、高いレベルでのゴールを達成することができます。

超一流脳を持つ人は、お金のためには働かない

あなたは、何のために仕事をしていますか?

もし、あなたの答えが「お金」でしたら、今すぐにその仕事観を捨て去ってしまいましょう。 なぜなら、お金を稼ぐために嫌々ながら仕事をしても、脳が本来持っているポテンシャルを発揮することはできないからです。

仕事こそ、好きなことや、本心からやりたいと思えることを基準に選ぶべきなのです。

しかし、一方で、やりたいことを仕事にできるのは運や才能に恵まれた一握りの人たちだけだと思っている人もいるでしょう。

あなたもそのうちの一人かもしれませんが、あなたがそう思い込んでしまっている理由は何だと思いますか? 親や教師たちから、「夢を追いかけていては生活なんてできないぞ」と幼い頃から言われてきたからではないでしょうか。もしくは、職場の同僚や上司から、現在進行形で自分の夢を潰されているのかもしれません。

ところが、これらは、私たちが日常的に受けている洗脳だということに気づかなくてはなりません。 世界経済の支配者たちが、自分たちの既得権益を守るために一般市民にこうした価値観を押しつけているのです。

彼らは、自分たちの作った土俵の上で、一般市民をたえず競争させることで、お金の奴隷にしようとしています。 あなたの夢を潰しにかかってくる親や教師たちは、支配階級が仕掛けたこの洗脳に見事にかかってしまっているのです。

まずは、この洗脳から目覚めることが大切です。やりたいことよりも目先のお金を優先して働くべきという価値観は、物心ついたときにはすでに頭にこびりついてしまっているものですが、「何ら根拠のない考え」であることを知る必要があります。

それでは、超一流脳を持っている優秀な人々は、何を求めて働いているのでしょうか。彼らの職業選択の基準は非常にシンプルです。 それは、「毎日を楽しく生きられるかどうか」という一点に集約されます。

週末の2日間だけを楽しみにして、平日を嫌々ながら働いて過ごしているサラリーマンたちの中で、1週間ぶっ通しでハッピーに過ごすためにはどんな仕事に就くべきかと考え続けているのが、「超一流脳」の持ち主なのです。 だから、あなたは、まずこの問いかけを自分にもしなければならないのです。

この世の中で本当に大切なことは、あなたがいくら稼いだかではなく、あなたがどんな人生を送り、どんなゴールを設定しているのかということです。

お金は後から必然的についてくるのです。富裕層にいる人々の共通点は、好きなことをやって「超一流脳」を発揮し、自分ならではの価値を生み出しているところです。

お金は目的ではなくて、手段に過ぎないということを知らなければなりません。

富裕層にいる人々の大半は、お金を目的にせず、やりたいことを選んだ結果として今の地位と資産を築いているのです。

365日、毎日を楽しく生きられるような仕事選びをする。 このことが、あなたの人生に真の豊かさをもたらしてくれます。

超一流脳を持つ人々は、お金を稼ぐことを目的化せず、やりたいことや楽しいことを追求することに意識を集中させ、その結果として人生を本当の意味で「リッチ(豊か)」なものにしているのです。

偉大な発明・発見を生むヒラメキの正体 天の一角からひらめく光のように、潜在意識は努力するものに正解を授ける。

意識する心の考えたことをすべて受け入れて、眠っている間でも休まず、二十四時間働き続けるのが潜在意識の働きです。ですから、科学者が偉大な発明や発見をするのも、この助けによることが多いのです。

意識する心で考え尽くして解決できないことは、潜在意識に引き渡すのがいいでしょう。

すると潜在意識は、いままで意識する心から与えられた情報をうまく組み合わせて正解を与えてくれるのです。

有名な化学者フリードリッヒ・フォン・シュトラドニッツも潜在意識を用いて化学の画期的な進歩に貢献したのです。

彼氏は長い間、一生懸命にベンゼンの化学式の六個の炭素と六個の水素の配置換えをしようと努力していました。しかし、彼はたえず行き詰まり、それを解決できないでおりました。疲労困ぱいして、彼はその問題をすっかり潜在意識に引き渡してしまったのです。

その後間もなく、彼がロンドンのバスに乗り込もうとした時、彼の潜在意識は意識する心に、蛇が自分の尾を噛み、ねずみ花火のようにくるくる回っている光景を突然ひらめかせたのです。

この潜在意識からきた答えによって、彼は原子を環状に配列するという、長い間求めていた答えを得たのでした。これが今ベンゼン環として知られているものです。

バスにシュトラドニッツが乗ろうとした時、ひょっと意識する心の働きが切れたのでしょう。 その切れ間からすでに問題を解決していた潜在意識は、その答えをひらめかせてくれたのです。

このように、解答は電光のように、予期しない時にやってきます。

“富裕感”こそが富を引き寄せる

繁栄、富、成功などの考えを潜在意識の中に預金しなさい。 そうすると、潜在意識はあなたに複利をつけて返してくれる。

潜在意識は、いったん思い込まされたことは必ず具体的に実現してみせる力を持っています。

自分は豊かであるという心の底からの感情があれば、それがあなたを豊かな人にするのです。 つまり富裕感が富を引きつけるのです。

潜在意識が持つ四つの特徴

ものを思考する、言葉を発する、決断するなど、普段私たちが意識的に使う脳の3%を「顕在意識」といい、そしてコントロールが難しい無意識の領域を「潜在意識」といいます。

行動を司る顕在意識に対して、生命の維持活動や、人間の習慣を司っているものが潜在意識です。この潜在意識は20世紀初頭、心理学者のフロイトという人によって、その存在を発見されました。

この潜在意識には四つの特徴があります。 ①人間で言うところの善悪の判断がで きない ②「私」と「他人」を区別できない ③訂正するまで、入った言葉をストップできない ④時間を認識できない

という特徴を持っています。あなたの無意識に発する言葉が、そのままダイレクトに貯蔵されるしくみになっているのです。

人間の習慣や無意識のクセ、行動パターンはこちらの潜在のゾーン担当です。