潜在意識はあなたの”本音”を見逃さない

潜在意識は、受け入れたものをすべて無差別に実現してしまう性質がある。

潜在意識には判断したり、選択したりする能力がありません。

あなたが心の中で、つまり意識する心(顕在意識)の中で、こうだと思ったことは、すべて無差別に実現してしまうのです。

だから、あなたが「私はそうしたいけれど、そうする余裕がない」と言えば、潜在意識はそれを真に受けます。そして、あなたの希望を実現させないようにしてしまいます。

これに反して、「私はそれを買おう。私はそれを心の中で受け入れる」と言えば、潜在意識はそれを引き受け、おそかれ早かれあなたの願望を実現してくれます。

常に積極的な言葉をあなたの潜在意識に話しかけてください。

潜在意識はあなたの言葉を一度引き取ったら、それを実現しないではおかないのです。

積極的な言葉を繰り返しているうちに、あなた自身が変わってきます。

そしてふと気づくと、あなたはいままでよりも、もっと積極的で魅力的な人間に変わり、もっと幸福になっていることに気づくでしょう。

ですからあなたは、自分に正直にならなければなりません。

知人の幸福を聞いて、「あの人はずるいことをやったんだ」と言った場合の本音は何でしょうか。

あなたはその知人の幸福を羨み「その幸福がなかったらよいのに」と言っているのではありませんか。

潜在意識は本音に対してのみ反応するのですから、「幸福がなければよいのに」という心持ちを受け入れ、あなたに幸福がこないようにと働き始めます。

あなたの気持ちを率直に見つめ、そして本当によい思念で満たしてください。

あなたが本当に幸福や富裕や健康を望んでおり、しかもそれを否定する気分がないなら、その願望は必ず実現します。

人は自分の行動に一貫性を持ちたがる

段階的に要求を受け入れると、一貫性を持ちたいという心理が働く

訪問販売員に「話だけでも聞いてもらえませんか?」と言われ、断るつもりでしぶしぶ話を聞いていたらいつの間にか商品を購入していた、という経験はありませんか?

このように相手が承諾しやすい小さな要求から段階的に要求を大きくし本来の要求を成功させる技術を「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」と言います。

この技術を調べるためにフリードマンとフレージャーは戸別訪問による実験を行いました。

実験者たちは、「交通安全の市民会」と称して住宅街を訪問し、「安全運転をしましょう」と書かれた看板を玄関先の庭に設置させて欲しいと頼みました。

ふつうに看板設置を要請した場合の承諾率は16.7%でしたが、2週間前に小さな要請を承諾した家の場合は、なんと承諾率が最大で約76%まで上昇したのです。

2週間前に行った要請は全部で4パターンあり、看板設置のときとは別の団体として訪問しました。

ひとつ目は「安全運転」と書かれた10センチ角のステッカーを車や窓に貼ってもらうという要請。ふたつ目は地域美化のステッカーを貼ってもらうという要請。3つ目は交通安全の立法化を求める嘆願書への署名。4つ目は地域美化の立法化を求める嘆願書への署名。これらの小さな要請を事前に行ったことで、ひとつ目の要請後の看板設置承諾率は約76%、それ以外の要請後の看板設置率は約47%でした。

被験者は、小さな要請を承諾したことで「自分がいいと感じた要請は受け入れるべき」という一貫性を持ちたいと思う心理が働き、看板設置の承諾率が上がったのです。

こういった一貫性を持ちたいと思う心理のことを「一貫性欲求」といいます。

他者の存在は作業にどう影響する?

個人の習熟度によって作業効率が変化する

周囲に自分以外の人がいることで、やる気が出て作業効率が高まるというケースがあります。他者の存在によって作業量が変化するという現象に着目したトリプレットは、糸巻き実験を行いました。

この実験は、釣り糸を巻くリールを改造し、糸巻き機を作成、それを使って一定の長さの糸を巻く作業を行う場合、ひとりで巻くのとふたりで巻くのとでは作業スピードがどれだけ変化するのかを比較しました。

結果は、ひとりで巻くよりもふたりで巻いた方がスピードが速くなることが判明。F•H•オルポートは、こうした現象を「社会的促進」と名付けました。

しかし、必ずしも他者の存在が良い結果を生むとは限りません。例えば、会社でプレゼンを行う際、他者がいることで緊張してしまい、うまくプレゼンができなかったことはありませんか?

このように他者の存在によって作業の質や量が低下する現象を「社会的抑制」と呼びます。なぜ、社会的促進と社会的抑制が起きるのでしょうか? ザイアンスは、それらをわける鍵は、個人の習熟度にあると考えました。

物事に対して慣れているかどうかで社会的促進と社会的抑制のいずれかが起きるというわけです。

先ほどのプレゼンを例に考えると、プレゼンに慣れているAさんは、他者がいるとむしろ張り切って自分の企画を提案できますが、プレゼンに慣れてないBさんは、他者の存在が気になって緊張してしまい、自分の企画をうまく提案できません。Bさんのような社会的抑制を避け、促進効果を得るためには、その物事に対して経験を積むか知識を高めることが必要となるわけです。