私たちの行動を抑えつけている「言い訳」を見てみよう。
ほとんど無意識の域に潜んでいるため、ことさら自覚しにくいものです。
心理学ではこれを「抵抗」と呼んでいます。
この抵抗は見逃してしまいやすいが、不安と同じように強い影響力があります。
成功に必要なことをなぜしないのかということに対する言い訳として、まるで正当な理由であるかのように私たちの生活に入り込んでいるものがあります。
抵抗は本当に正当な理由ではありません。うまくこじつけた言い訳にすぎないのです。
まずは「いろいろ忙しいから」という言い訳です。
今のビジネス社会では、だれもが忙しさに追われています。
忙しいこと自体は悪いことではありません。しかしときには、忙しさが拒絶というかたちで使われることがあります。
特にエグゼクティブはそうです。
手のかかる仕事、臨時の出張、頻繁な会議などでスケジュールをいっぱいにし、自分のキャリアに何が足りないかと悩む時間もない。
夜ベッドに倒れこむときには、本当に大切なことを考える時間もエネルギーも残っていない。
そして朝起きると、また同じ毎日の繰り返し。
超多忙スケジュールは、すなわち重要人物だという意味に考える風潮があります。
携帯電話が鳴り、呼び出しがかかり、大量の電子メールが送られてくるのは、その人がまわりに必要とされている証拠だと考えるのです。
こうした騒々しさがピタリとなくなると不安になるという人は少なくないでしょう。
しかし、もっとも輝かしい成功を手にしている人たちは、静かに自分と向き合う時間を意識的に作っています。
仕事へ行く車の中や、会社の自室など、場所はいろいろですが、一人静かに考える時間を持つことで、自分の仕事と人生が進んでいく方向を見つめ直すことができます。
黙想の時間を持つのはとりたてて贅沢なことではなく成功のためには欠かせないものなのです。
毎日、その日の自分の行動を見直すための時間を少しでも持つようにするべきです。
でないと、世間の荒波に押し流されて、まるで嵐にもまれる難破船のようになってしまいます。
キャリアの可能性を最大限に実現したいと望むなら、折にふれて自分の才能と情報を振り返る余裕を持つように心がけましょう。
「自分の仕事を楽しんでやっているか? もっと楽しむにはどうしたらいいか? 今日は何がうまくできたか? もっとうまくいくようにするにはどうすればいいのか?」
これは、とても大事な質問なので、正直に答えてみてほしいです。その答えが、きっとあなたのキャリアを変えます。
次に「疲れていて気力がないから」という言い訳。その人が問題を抱えているかどうかは、疲労感を訴えるというのが最初の徴候になります。
疲労感は、実際に体力を消耗したからではなく気力が足りないからだ、という意見はある程度正しいと思います。
成功した人がこなしている仕事は、その仕事に必要な才能が欠けている人にとっては消耗しきってしまうものです。
だが、成功している人は、消耗するどころか、その仕事でエネルギーを得ているのです。
しょっちゅう疲れたとこぼしている自分に気づいたら、今の仕事をきちんと見直すべきです。
その仕事がなぜ自分を消耗させるのか?
必要な資源が本当に自分に備わっているのか?
自分の情熱はどうなっているのだろう?
今の仕事があなたの才能と情熱に合っていれば、たとえ肉体的には疲れていても、精神的には一種の高揚感を感じているのがわかるでしょう。
そういう仕事はあなたを消耗させるどころか、エネルギーを与えてくれます。
⭐️ 自分の仕事を楽しんでいるか?あなたの才能に適した仕事なのか?
