たとえ本心でなくても誰にでも感謝する

幸福感が倍増し、吉報が届く

無理矢理にでも感謝した者勝ち

人間の脳のメカニズムの中で、他の動物にはない特殊なものがあります。

それは人、物、出来事に対して「感謝」したときに、100パーセント安心し、自己防衛から解放され、手放しに「快」の状態になるというものです。

今日一日に、あるいは妻/夫やパートナーに、さらに人生そのものに感謝する。

何でもよいので感謝した者勝ちです。何も本心でなくてもよいのです。

例えば、意地の悪い上司がいたとしても無理矢理感謝します。 あの人がいるから奮起して頑張れるのだ、と思うのです。そうすると、実際その上司のよい部分が見えてくるものです。

これらは自分の一方的な感謝にすぎませんが、相手も自分に感謝してくれたとき、幸福感は2倍にも3倍にもなります

それが仕事上の取引先であったり、職場の仲間であったりすれば、仕事もうまくいき、大きなお金を生む可能性が広がります。

さらに2人から3人、4人と感謝のネットワークが構築されれば、自分では与り知らぬところから、思わぬ吉報が舞い込んでくるでしょう。

人にいちいち報告する

お金の浪費が防げる

叱り役を見つけたら、目標を公表する

何かを目標にして頑張っていても、うまくいかないというときはあります。

ダイエットのためにジョギングを続けていても、今日くらいはいいやと一日さぼると、次の日、その次の日とさぼりグセが出てくる。

そんなときに、「せっかく体が絞れてきたのに…。ダメだよやめちゃ」と叱ってくれる人がいたら、また明日から走れるかもしれません。

しかし、ジョギングをしていることを誰にも言っていなければ、叱られることはありません。

目標を達成したいのであれば、それを叱って励ましてくれそうな人物に公表しておく必要があります

もしその様な人が周りにいなければ、過去に自分を叱ってくれた人をイメージします。

こんなことをあの人が知ったら、烈火の如く怒られるに違いない。

そう思うだけで、背筋が伸びます。

浪費が続いているようなときも同じです。

ついつい遊びにお金をつぎ込んでしまいそうなとき、心の中の恐い師匠を思い出すだけで、財布の紐を締め直すことができるでしょう。

ライバルを設定する

さらなる高みを目指せる

ノートにライバルの名前を書いて写真を貼る

何か大きなことを達成するためには、まず長期目標を設定します。

ところが、例えば売上成績トップに一度もなったことがないのにそうなりたがっても、達成した姿をイメージすることができません。

そこで代わりに設定するのが「長期ライバル」です。例えば自分の周りに売上トップの人間がいたら、その人をライバルにしてしまうのです。

ただ心に思うだけでは弱いので、ノートを利用しましょう。

まずページの一番上に長期ライバルの名前を書き、その人の写真かイラストを置きます。

そしてその人が普段よく言っていることや、座右の銘などから選び、その人からの応援メッセージを創作。

これでライバルの存在がリアルになります。

気をつけなければならないのは、身近にいる尊敬、憧れの存在というのは、「追い越してはいけない人」という気持ちが起きがちです。

そう思える人は選ばないことです。

あくまで追いつき、追い越してやるという、ライバル心がむき出しになるような存在が適当です

その人を越えたとき、あなたは自動的に目標を達成しているでしょう。

失敗しても決して反省で終わらない

危機管理が最善を求める行動につながる

"反省"の先に成功なし。問題点はプラス思考で"改善"

本当のプラス思考人間とは、闇雲に前に進んでいくのではなく、危機管理能力にたけている人のことをいいます。

万が一のときは誰に相談すればよいか、どれくらいの損失が出たときに撤退するのかなど、あらゆる場面をシミュレーションして計画を立てていきます。

計画を実行に移す段階では、途中で何が起こっても最善を求め続けます。

そして実行中は、常に問題点のチェックをして、何をどう改善すればもっとよい結果がでるかを検討します

これをPDCAサイクルといいます。

Plan (計画)・Do (実行)・Check (評価)・Action (改善) の頭文字。 これを繰り返すことによって継続的な改善が行えるのです。

ここで大切なのは、問題点を分析、修正するのは、けっして反省ではないということです。

「あんなことをしなければよかった」ではマイナスの感情しか生みません。

改善とは「これからはこうしよう」というあくまでプラス思考から生まれるものです。

こうした危機管理ができてこそ成功の道はひらけていくわけです。

夢を描く未来日記を過去形で書く

具体的な成功イメージが湧く

夢がかなったその日の様子をリアルに書く

目標を決めるとき、義務感や数字でガチガチに自分を縛るとそれだけで達成を難しく感じてしまいます。

できるだけワクワクするような未来、それもリアルな像を結ぶものがあればやる気も起こります。

ではどうしたら具体的なイメージを思い描くことができるでしょうか。

それは未来日記を書くことです。 それも、目標を達成した日の日記です。

ポイントは文章を過去形で書くこと。

より具体的に、達成した場所、日時、どんな人がそれを喜んでくれたのかなど、まるで、その瞬間が訪れたかのように、心理面や感情面までも描きます

それによって脳は、本当にあったこととして認識します。特に感情を伴ったイメージは、脳の奥深くまで侵入していくのです。

重要なのは、そこにイラストや写真などを添えること。

脳は言語よりもビジュアルのほうをはるかに強く記憶します。

この日記を日々眺めていると、目標達成は当然という気分になり、不思議なことにそれらが現実と化していくのです。

よい言葉を脳に入力する

言葉に出して行動することで目標が明確に

脳のサイクルを利用して、プラス思考を強化する

脳に入った情報のアウトプットの仕方によって、プラス思考を強化することができます。

例えば、まずよいことがあった、あるいはよいイメージをする、という「入力」をします。

すると感情の快・不快を判断する扁桃核という脳の部位は「快」を示し、次に「うれしいなあ」という言葉を「アウトプット(出力)」すると、それが脳に再入力され、扁桃核はいよいよ「快」となり、その記憶が「強化」されます。

この「入力→出力→強化」の仕組みを脳のサイクルといいます

これは目標達成のために利用できます。まず入力する情報は好ましいものがよいでしょう。

目標を達成して喜んでいるようなイメージ。

そうすると扁桃核が快を示します。そして「うまくいっている」などのプラスの言葉を発するとそれが再入力され、扁桃核はいよいよ快となり、プラス思考が強化されていき、目標に近づいていきます。

たとえ悪い入力、例えばなんらかのトラブルが発生しても、「これぞグレードアップのチャンスだ」などのプラスの言葉を使うと、脳はそちらを信じ「快」となり、目標達成の邪魔にはなりません。

人のために行動する

周りが「自分」を支えてくれる

誰でもできる奇跡の力を生む方法

目標に向かって頑張っていると、どうしても困難が立ちはだかったり、自分が信じられなくなったり、心が折れそうになることがあるでしょう。

そうしたときは、他人を信じ、人のために行動しましょう。

これこそが誰にでもできる、奇跡の力を生む方法です。

例えば一度も甲子園を経験したことのない野球部が、その出場を目標に掲げたとします。

経験がないためリアルなイメージを持つことは無理な話です。

それでも、「甲子園に出場したら、親はどれだけ喜ぶだろうか」「この町がどれだけ盛り上がるだろうか」などと想像し、その人たちのためにと思えば頑張れるし、あきらめない力も生まれます

そうした姿は、やがて周りの人からも認められ、応援してくれたり、逆に今度は自分のために行動してくれたりと、目標達成の助けにもなります。

仮に自分を成功させるため、という本意があってもよいでしょう。

こうしてお互い、ウィンウィンの関係が生まれると、さらに明るい未来が開けてくるわけです。

できるだけたくさんの人を喜ばせる

自分の環境がよりよくなる

人生の幸福指数は喜んでくれる人の数で決まる

成功の大きさは、どれだけ人を喜ばせることができたかで決まります。

これから喜ばせたい人の数はそのまま、あなたを大切に思ってくれている人の数です。

この数が人生の幸福指数となります。

人間は社会的動物です。自分以外の人との出会いによってしか成長しません。

また、誰か他人と一緒にいなければ真の幸せを感じることはできません。

そして人とは実におもしろいことに、他人を喜ばせると自分もうれしくなってしまうという生き物なのです。

自分が裕福になったことで誰かが喜んでくれて、その姿を見て自分もうれしい気持ちになっている。

これは最も幸福な成功パターンであり、サイクルです。なぜなら、これは見返りや感謝を求めずに、ただ自分以外の人間の喜びを追求しているからです。

そうした場面をイメージするだけで、今自分が置かれている環境さえも変化します。

この環境を手に入れれば、人間関係が良好なうちに、成功への道をたどることができるわけです。

笑顔にしたい人を思い浮かべる

他人を守ろうとすると馬鹿力が出せる

他人の喜び=自分の喜び、それこそが潜在能力を引き出す鍵

人間は、自分だけのためにはなかなか力を出せませんが、誰かのためとなると、大きな力を発揮してしまう不思議な動物です。

これは人間に限ったことではありません。脳の中に大脳辺縁系といわれるものを持っている動物に共通した特徴です。

自然界で、子供を守るために自分の何倍もの大きさの天敵に立ち向かう親。

まさに誰かのために自分を超えた力を出している瞬間です。

「あの人のためなら頑張れる」という心の支えは、人のやる気を燃え上がらせ、潜在能力を限りなく引き出すことができます

これは成功者が必ず持っている心根です。

お金を儲けることが自分を喜ばせるだけであれば、それに対する努力はだんだんと苦痛になっていくでしょう。

しかし、そうすることで、家族や会社の人たち、愛する人たちが笑顔になっていくのであればいくらでも頑張れ、喜ばせる相手を特定すればさらに力が出るでしょう。

あなたにとって喜ばせたい人は誰なのか、すぐに思い浮かべてください。

寝る前の10分間は最高の自分をイメージ

プラスのイメージが現実のものとなる

寝ている間に成功を呼び寄せる

脳には、1日の最後に思ったことを強く記憶するという特徴があります。

特に寝る10分前の感情を強く記憶し、睡眠中に何度もその感情を再生します。

ですから、もしその日はマイナスの出来事ばかりで、それを寝るまで引きずっていたら、寝ている間中マイナスのイメージトレーニングを行うはめになってしまいます。

たとえその日がプラスの出来事ばかりであっても、寝る直前に何かしら不安な感情にとらわれたまま寝てしまったら、せっかくのプラスの出来事はパアになり、これまたマイナストレーニングに…。

それほどまでに大切な就寝前の10分は「脳のゴールデンタイム」と呼ばれます。

この時間に、自分が裕福で幸せな生活を送っている場面をイメージする。

そうすると就寝中、何度も再生され、「プラスイメージトレーニング」を自動的に行うことができ、やがては現実のものとなっていきます。

もしその日、嫌なことばかりがあった場合は、その出来事を脳の中で書き換えてしまいましょう。

無理にでも最高の自分をイメージするのです。

するとマイナスのイメージはプラスに転じていきます。

「辛い」ときこそラッキーと思う

苦しい経験を克服した達成感が、新たな挑戦につながる

トラブル大歓迎! マイナスはプラスに転ずる

人は誰でもさまざまな金銭トラブルに巻き込まれます。

普通なら、「何てツイてないんだ」「どうして自分だけがこんな目に遭わなければならないんだ」と思うでしょう。

ところが成功者たちは、まったく逆の反応を示します。

目の前の苦難が、自分を成長させてくれる材料に見えたり、逆にやる気が起きたりします

苦しい状況に快感を覚える、ある意味マゾ的な一面を持っています。

世界を動かす経営者の中には、マラソンやトライアスロンにハマっている人たちが多くいます。自らを苦しい状況に追いやるのに一番簡単な方法だからです。

なぜ彼らはそのように思えるのでしょう。脳は苦しい経験を克服したとき、その事実をしっかり覚えており、それが「自分はできた」という達成感になっています。

それが「自分はできる」という自信になり、新たな挑戦につながっていきます。

成功者はこの体験があるゆえに、マイナスをプラスに転じてお金を生んでしまうというわけです。 苦しみの先に快楽がある、という思考は、実体験で得られます。

苦しいときこそ口角を上げる

憂うつな気持ちを前向きに変えられる

笑顔とNo.1ポーズで困難を乗り切ろう

口角が上がっている人は幸せそうに見え、下がっている人は不幸に見えます。

これは過去の人生経験からくるものですが、逆も真なり。

何か憂うつなことが起きても、気持ちを切り替えて笑顔でいると、不思議と気分が前向きになってきます

これは言葉や動作も同じです。 何かプラスの出来事があったときに、ポーズをとってみてください。

人差し指を突き出し、天を指したり、両手をギュッと握りしめたり。これをNo.1ポーズといいます。サッカー選手がゴールを決めた後にするパフォーマンスのようなものと思ってください。

そして、やる気の出る言葉を決める。「飛翔」「歓喜」「進化」など、できるだけポジティブなものがよいでしょう。

そしてこれらの行動、言葉を脳に刷り込むのです。

プラス感情になる→No.1ポーズという認識を繰り返すうちに、やがて逆転して、No.1ポーズ→プラス感情になるという回路に変わります。

口角上げも同様で、苦しいときこそあえて口角を上げる。 すると、口角を上げる→プラス感情になるに転換するわけです。

“誰かのために”と思ってやる気スイッチON

飽くなき向上心が手に入る

他人のために行動すれば自分を超える力が出る

私たちの脳は、失敗を重ねる度に臆病になり、あきらめようとします。

ところが、たとえイメージ通りに成功を収めたとしても、進むことをやめようとします。これでよい、十分だと思ったとたんに、やる気を失ってしまうのです。

例えば一流アスリートが金メダルを取ったとたん、抜け殻のようになってしまうような状態。これをバーンアウト、燃え尽き症候群といいます。

お金持ちになるために努力をして、ある程度の結果が出たときに、ああ、とうとう自分はお金持ちになったな、と思ったとしたら、そこから先、さらなる努力はしなくなるということです。

ようするに、放っておくと、いずれにしてもやらなくなる方向に転じてしまう。

それでも、逆境でも成功でも、常に前進し続ける方法があります。 それは、自分のためではなく他人のためだと思うことです。

今よりお金を得ることで、自分ではなく他人を幸せにでき、喜んでもらえる。

その姿を見てただただうれしいと思える心を養います。そこに自分を超えた力がはじめて宿るのです

ツイている人を見つけたらすぐに近づいてみる

パワフルでエネルギッシュな人間になれる

ツキとお金を呼び込む真のプラス思考人間とは

一般的にプラス思考とは、何でもポジティブに考え、常に楽観的にリラックスしている状態だと思われています。

これは大きな間違い。こういう思考の人たちは「プラス思考勘違い」人間です。最悪の状況を想定せずに突っ走るのでは、決してよい結果はついてきません。

真のプラス思考人間は、まず危機管理をした上で最善を求めて行動します。

そして実行中は絶えず問題点をチェックしながら最後まで責任を持って結果を出す人です。常に成功するのは、偶然ツイているわけではありません。

自分がまだそこまでできないのであれば、ツイている人と付き合って勉強するべきです。

ただ、ツイている人はツイている人としか付き合いません。ツイている人に「お、この人なら」と思わせるためには、熱意を持った人間である必要があります。

この二つのパワーとエネルギーこそがツキや金運を呼び寄せるからです。

真のプラス思考人間の近くにいることができれば、きっとあなたも感化され、ツキを呼び込みやすくなるでしょう

稼いだら惜しまず隣の人に分ける

社会的成功と人間的成功、両方を手に入れる

他人に喜ばれなければお金がないのと同じ

人生の成功には2種類あります。 一つは社会的成功、もう一つは人間的成功です。

自分が裕福であることをいくら自慢しても、他人がそれを認めてくれなければ、社会的に豊かであるとはいえません。

社会的成功とは、お金がたくさんあるということだけではなく、いかに他人に喜びを与えることができる環境を持っているかです。

ただお金を貯め込むだけで、誰にも還元しない不幸な金持ちは本当の成功者とはいえません。

一方、人間的成功とは、人生の目的です。これは、あなたが自分と他人に、より大きな喜びを与える、ということに尽きます

ビジネスの世界では、社会的成功、つまり地位と富を得ることを人生の目的ととらえがちですが、それは間違いです。

また、社会を捨てた替わりに、自由を手に入れ幸せを感じている人がいるかもしれません。

ですがこの人には他人を幸せにする力がないのでこれもまた人間的成功とはいえません。

この社会的成功と、人間的成功の両方を手に入れてこそ、真の成功者といえます。

「不快」から「快」へ脳の振り子を操作する

ピンチを乗り越えればチャンスになる

プラス言葉、プラス動作・表情が不快を替える

いくらプラス思考で生きていても、必ず苦しい状況は訪れます。 そうしたときに普通の人は「不快」な気分になります。

それを「快」に持っていくことができれば、心が折れることなく、苦難を乗り越えることができます。

人の脳の一番表面にあるのが知性を司る大脳新皮質。それに覆われた中にある大脳辺縁系は感情脳とも呼ばれ、喜怒哀楽といった感情を司っています。

快・不快を判断しているのは、この感情脳の中にある扁桃核という部分です。ここが「不快」な情報を「快」と判断してくれればよいのです。

脳は、入力と出力でプログラミングされています。入力は見たり聞いたりした経験と、思ったことすべて。出力は自分の行動と口にする言葉です。

扁桃核は「快」と「不快」を判断する機能。この機能は、常に「入力」よりも「出力」を真実として扱う特徴を持っています。

プラスのイメージを持っていても、マイナスな言葉を吐いたら、扁桃核は不快と判断します。

ですから、マイナスの入力があっても、プラス言葉を発し、プラス動作・表情をしていれば、快のほうに振り子が振れるわけです。

「投資家社員」になる

社内で高い評価を得られる

「投資家社員」OR「浪費家社員」、どっちがお得?

誰もが認めるデキる社員に共通した特徴は、常に自分を高めているところ

自分を高めるというのは、例えば1000万円の土地を2000万円の価値に高めて売るように、自分の価値を2倍に上げる「投資家社員」になるということです。

投資家社員は、職場をやる気にさせ、上司からも好かれる。

誰もがいやがる仕事にも文句を言わず取り組み、言い訳をせず、他人のせいにしない。

このように、彼らは自分の価値を高めて、周りから高い評価を得ています。

これに対して1000万円の土地の価値を500万円にしてしまう浪費家社員もいます。

いつも不満とストレスを抱え、愚痴や文句を言っている。ダメなことは人のせいにして言い訳ばかりで、自分の価値を自ら低めています。

しかも浪費家社員のほとんどが、自分が浪費家社員であることにまったく気づいていません。

どちらの社員に新しいお金が生まれるかは一目瞭然。

普通に自分の価値を高めることがお金を呼ぶというわけです。

「勝ちグセ脳」をつくる

驚異的な力が発揮できて夢がかなう

「成功を信じる力」「苦しい状況を楽しめる力」「他人を喜ばせる力」

お金や運を呼び込んで成功する人と、そうでない人の差は、脳の心理コントロールが上手か下手かです。

そして多くの成功者に共通するのが「プラス思考、プラスイメージ、プラス感情」を維持する力を持っていること

つまりプラスに考える「勝ちグセ脳」を手にさえすれば、普通の人でも驚異的な力を発揮できるのです。

そのために必要なのは、成功を信じる力、苦しい状況を楽しめる力、他人を喜ばせる力の3つです。

簡単に思えますが、人はもともと危険を避けるためにネガティブにできあがっています。

ですからトレーニングをしなければならないのです。

成功を信じる力には、ワクワク感を持つことが一番大切です。

「正しい」ではなく「楽しい」でよいのです。

そしてそれが苦しい場面になったときに、それさえも楽しむ力で乗り切り、最後に「人の喜びが自分の喜び」という、人が人として生まれてきた原点に返ることでこの脳は完成します。

あとは夢をかなえるだけです。

成功者の脳をコピペする

「必ず実現する」という天才経営者の確信が手に入る

天才の脳に入れ替えて、奇跡を起こす

今の自分を飛躍的に変える方法があります。それは、世界の成功者たちの脳を、あなたの脳にコピペしてしまうのです。

例えば、天才経営者の脳をスポッとあなたの脳に入れてしまう。

アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏でもアマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏でもいい。日本人のほうがイメージしやすいのであれば、パナソニックを創った松下幸之助氏でも、ホンダの本田宗一郎氏でも。

あなたにとっての憧れの天才をまず誰か一人思い浮かべます。

次に、あなたの脳がその人物と入れ替わり、その後の人生を過ごしていく様子を思い浮かべてみます。

するとどうでしょう。今までの人生とはまったく違う視野で世界が見えてきます。

この天才たちの脳に共通するのは「必ず実現する」と確信している点です。

これこそが、成功へのキーワード。そして、24時間、入れ替わった脳の状態を維持できるようにトレーニングをすれば、あなたは天才経営者そのものになっていくのです

夢ノートをつくる

お金を引き寄せる行動パターンがわかる

小さなことからコツコツと未来は現実の積み重ね

目標を実現するときにまず必要なのは、未来思考です。

自分がなりたい姿を思い描きます。今の実力は度外視し、とにかく実現したときのワクワク感を大切にします。この際、長期的な目標を掲げます。

願望を計画に移すのに必要なのが現実思考です。長期目標を踏まえた、中期、短期の目標を設定し、計画・実行へと進みます

小さなことからコツコツとが大切。

目標実現には、夢ノートを活用するのが効果的です。月間用と、本日用を揃えましょう。

本日用には必ず「よかった点、改善点、明日への決意」を書く欄を設けます。

この「よかった点」にお金の動きが良好な内容が書いてあったとき、その日の行動パターンを分析しておくことが大事です。それはお金を呼ぶために参考にすべき行動だからです。

大きな成果がないからといって、がっかりする必要はありません。

ノートを見ながら、昨日より今日、今日より明日と、毎日ほんの少しだけ前日を越えていけばよいのです。

このチョイ越えの精神を大切にすることが成功の秘訣です。

「本能」に身を任せる

思わぬところからお金がやってくる

目標達成が人を幸せにする場面を想像しよう

目標を達成するには、それが日常の習慣のように、一日中そのことを追い求めてしまう意識をつくることです。

そして、将来達成したときに、そのことを誰かが喜んでくれたり、幸せになったりすることまで想像できたとしたら、目標達成に向かうその行動はその人の「本能」であるといえます。

「本能」とは、常に頭からそのことが消えないということ。

例えばサッカー選手がワールドカップの代表になったら、家に帰っても家族といてもサッカーのことが頭を離れることはないでしょう。

優秀な科学者や起業家もいろいろな問題や案件が常に頭の片隅にあります。

だからこそ、お風呂に入っているとき、散歩やジョギングをしているときなどに、突然新しいアイデアが生まれるのです。

このように、「本能」に身を任せることで、思わぬチャンスが巡ってくる確率は高くなります。

目標達成のためにお金が必要なのであれば、それもまた同時についてくるでしょう。

お金そのものを求めていては、お金はやってきません。

毎日3分間で脳の記憶を塗り替える

一日のスタートダッシュがうまくいく

「生きていてよかった」そんな根源的なツキを味わう

朝の脳のコンディションでその日一日は決まります。

そのためにまず行う儀式は、脳に肯定的な記憶を刷り込むことです。

たとえ前の日によくないことがあったとしても、それを引きずらず、よい記憶に塗り替えます。

何も仕事などの具体的な目標でなくてもかまいません。生きること、愛について、そのようなもっと根源的なものでよいのです。

「今日も無事に生きていける、なんてツイているのだろう」「家族が今一緒にいられるのが本当に幸せだ」など。

実際大災害などの大きな不幸を考えると、朝、普通に健康に起きられるだけでも幸福を感じることができるはずです。

そんな「ツキ」をゆっくりと噛みしめる時間を朝に持つ。すると、今日起こるだろうすてきな出来事が次々と浮かんできます。

そんな脳のセットアップが完了すれば、一日のスタートダッシュは完璧です。

運とお金はそんな生活に舞い降りてきます。

脳にお金持ちソフトをインストールする

金儲けは簡単で楽しいと思える

「お金持ち」OR「貧乏」と決めるのは自分

脳への条件づけ次第で、人はお金持ちにも貧乏にもなれます。

潜在意識の中に「貧乏」が条件づけられていると、いくらお金持ちになりたくても、いやでも貧乏になってしまいます。

これは一種の脳のクセといってもよいかもしれません。ではこのクセを治すにはどうしたらよいでしょう。

それは脳にインストールされている「いやでも貧乏になっていくソフト」を「いやでもお金持ちになってしまうソフト」に交換するだけです。

「お金は汚い」を、「お金はすばらしい、夢と理想の実現を助けてくれる手段だ」に。

「金儲けは難しい」を「金儲けは簡単で楽しい」に変換するのです。

特に、お金が夢をかなえる手段、という考え方は、多くのお金持ちに共通した思想です。

「世の中はお金だ」と思っている成功者はいません。もしいたとしてもそれさ一過性のもの、必ず破滅の道をたどります。

真の成功者こそお金の先にある豊かな未来に価値を見出しているのです。

「こうしたい」を「必ずこうする」に変える

目標達成の未来が見えてくる

計画、実行、評価、改善の繰り返しが根拠のある自信を生む

どんなに高い目標でも、無理そうな願望でも、まずは現在の自分の実力を無視して、それを達成、あるいはかなえられた自分をイメージします。

例えば子どもが「Jリーガーになりたい」などと言っているとき、それは本気で思っているので、根拠のない自信に満ちています。

最初はそれでよいのです。これを根拠のある自信に変えていくには、計画、実行、評価、改善の繰り返しが必要です。

計画、実行の先には実績が生まれ、願望に根拠が伴い始めます。

それでも、往々にして、願望と現実の間にはギャップがあるもの。

それを客観的にチェックして計画を修正していきます。反省をするのではなく、正しい分析を行うのです。

これを繰り返すうちに根拠のある自信が確信へと変わっていき、目標達成という予感が生まれ、望んだ未来が見えてきます。

自分勝手な脳をつくる

ポジティブな行動をとれる

脳をだまして、成功の道を突き進む

だいたいの人は、自分の実力を周囲と比較して生活しています。

もしも高額の年収がある人が近くにいてそれを追い抜かすことができたとしたら、その人はそれで満足し、努力をやめてしまうでしょう。

比較すべき対象は周りではなく、自分の目標イメージです。

現在の自分の立ち位置はいっさい無視して、自分勝手なイメージに向かって突き進む。

そこで大切なのが、「目標を達成してしまった」と思うことです。

例えば女性がダイエットをするのであれば、スレンダーな美しい水着姿でビーチを歩いている自分の姿などを想像します。

すると不思議なことに人間の脳は、それを信じてそのとおりに体に指令を出し始めるのです。

脳科学の観点からいうと、脳は実は過去と未来の区別ができていません。

過去のことだろうと未来のことだろうと、すでに成功しているというイメージを強く持つと、脳は簡単にだまされ、体にそのように行動させてしまうのです。

自分勝手な脳こそ、成功の立役者なのです。

「人の役に立っているか?」自分に問いかける

収入がぐんぐん上がる

使命感と責任感を持って常に“よりよく”

人は他人から求められることが多ければ多いほど、やりがいが湧き、それに応えられたときには喜びになります。

そして要求したほうも喜び、さらに仕事を任せたくなる。

そこに使命感や責任感が生まれ、そういう人には自然とそれに見合った収入が約束されます。

これと逆なのが、無責任な人。 仕事を人任せにして、リスクを避ける。

そうすると、能力はみるみる低下し、そのような人には誰も期待することもなく、おのずと収入も減っていきます。

元々は優秀な人でも、何かの理由で仕事を減らされたり、スポーツ選手であればスタメン落ちになったりすると、それまで張り詰めていた気持ちがゆるみ、同じく無責任な状態に陥ってしまうものです。

このように悪い方向に行かないためには、いつも自分を振り返ることです。

今自分は人のためになっているだろうか。もっとよくなるためにはどうすればいいだろう。

そう思うことで、常に貪欲に物事に取り組め、周りの人から求められ、お金にも求められるというものです。

常に脳のスイッチを「快」にしよう

お金を呼び込むとき、運、ツキがどうしても影響します。

たいていは、ツキがある人は延々とツキがあり、ない人はおもしろいようにない。

ツイていない人の脳は、ツイていない自分の未来を常に予知し、実現してしまうからです。

ツイている人の脳は、ツイている未来を予知しそのとおりに実現します。

両者の違いは、脳の中にある小さな部位「扁桃核」の状態によります。

「扁桃核」には、快・不快を判断する機能があります。

ここが「不快」と判断すると、自己防衛本能が働いて、恐れや不安などのマイナス感情が起き、よい未来像を描けなくなってしまうのです。

成功者の脳は、普通の人が絶望に陥るような状況でも「快」になれる能力を持っています。

では普通の人はそうなれないかといえば、そんなことはありません。

脳は自分の行動や自分が発した言葉を最も信じる器官です。

常にプラスの行動をし、プラスの言葉を発していれば、脳はだまされ、「快」にスイッチを入れます。

こうなればどんなピンチもチャンスに変えられるでしょう。

感謝した者が勝つ

「感謝した者が勝つ」は、運を呼び込む大原則です。 感謝とは、最強の心理エネルギーなのです。

むき出しの闘争心で頑張ってきて成功した人たちは、必ず、なぜ自分が成功したかを考えます。

そのとき「自分が頑張ったからだ」としか考えられない人は、それから先の成功は望めません。

「自分一人の力ではない、多くの人がたちのおかげだ」と思えた人だけが真の成功者の道を歩み始めます。

感謝を知った人は、もう自分だけのために闘おうとは思いません。

人々のため、社会のため。新たな闘争心は使命感に変化します。彼らこそ勝ち組の中の勝ち組といえるでしょう。

道徳的な話ばかりでなく、脳科学的にも、「感謝」をすると脳が「快」を示し、全身の自律神経やホルモンに変化が起きます。

脳内にドーパミンという物質があふれ、周りの事象がすばらしく感じられるようになるのです。

資本主義は恐慌から逃れられない

競争と信用制度

資本を集中させるにあたり、もっとも強力な2つのレバーは競争と信用制度です。

信用制度は最初は資本蓄積の控えめなアシスタントとしてこっそりと入ってきます。

そして社会に分散している貨幣を目に見えない糸で資本家の手にたぐり寄せてくれる。

しかし、後に競争で恐ろしい武器に変身し、その結果あらゆる種類の資本の集中のための、巨大な社会的メカニズムになります。

「信用制度」とは「金融」のことです。

会社の合併や企業規模を大きくするための投資には資金が必要です。

金融はお金が必要な人にお金を貸し、そこから利子を得るビジネスです。そして、それはお金を借りる人が後で元金と利子を返すと「信用」することを前提とします。 だから金融システムを「信用制度」と呼んでいます。

そこで、競争で生き残るためにも、お金を借りて資本の規模を増大することが必要です。

資本の規模を増やすには、剰余価値をコツコツ蓄積するのも一つの手ですが、もしライバル会社が銀行から借り入れた大金を武器に攻撃的な投資をしてきたら一瞬で潰されてしまいます。

企業が借りた資金は負債として財務諸表に現れます。財務諸表は全体の資産を資本と負債の2つに分類する。

簡単に言えば、資本は自分のお金で負債は他人のお金です。自分と他人のお金を合計したものが全体の資産となります。

他人のお金とは、普通は、銀行などの金融機関からの借入金です。

財務用語で「資本」というと、単純に自分のお金を意味するが、マルクスの「資本論」の中で資本と呼ぶものは財務諸表では資産に当たります。

強力で巨大な資本を作るためには、それが自分のお金だろうが、他人から借りたお金だろうが構わないからです。

他人のお金を借りて自分の資本を2倍にすると得られる利益も2倍になる。 このようなことをレバレッジといいます。

そのレバレッジは資本の貪欲さによって後に恐慌の原因にもなります。

生産部門によって生じる乖離

社会の総生産は2つの部門で構成されます。

I 生産手段を生産する部門 Ⅱ 消費材を生産する部門 そして、両方とも可変資本と不変資本とで構成されています。

I部門(生産手段部門)がお金を支払って、Ⅱ部門(消費材部門)から商品を購入したとしましょう。

この商品の価格には、Ⅱ部門が商品を生産するときの機械の摩耗(減価償却)の分が含まれています。

だから、II部門は時間が経った後に機械を交換するときのために、その分のお金を使わず積み立てます。

例えばI部門が2000を購入して、その200が摩耗の分ならば、II部門はその200を使わず積み立てておきます。 その分は機械を交替するまで、しばらくI部門に戻らない。従ってI部門にはII部門に比べて200の分が過剰生産されたことになります。

生産物の種類や性質によって、その生産と消費の周期は違うため、その乖離から不均衡が生じます。

様々な原因によってその不均衡の期間が長くなると、恐慌 (過剰生産によって価格の暴落、失業の増加、破産、銀行の破綻などが起こる現象)が発生する可能性が出てきます。

生活必需品と贅沢品

Ⅱ部門 (消費材の生産部門) の労働者はⅡ部門の資本家から貰った賃金で自身の生産物の一部を買うことがはっきりしています。

つまりⅡ部門の労働者は労働力に投下した資本を再び貨幣の形態に変化させて戻してくれます。

Ⅱ部門の生産物は「生活必需品」と「贅沢品」の2つに分類することができます。

生活必需品は資本家も労働者も消費するが、贅沢品は資本家階級の消費に限るため、労働者から搾取した剰余価値からの支払いと交換されるだけです。

ところが、恐慌のときには贅沢品の消費が減少します。つまりそれは、贅沢品生産の可変資本の貨幣資本への転化を停滞させます。

そこで贅沢品を生産する労働者は解雇されます。その結果、彼らが消費していた生活必需品の販売も減少します。

景気が良くないときは、高価な商品と安価な商品の消費傾向が二極化する傾向があるという。

景気が悪いときにも、お金持ちは以前のように高価な商品を買うことができるが平均的な価格や廉価商品を購入していた中産階級は、どんどん安価の商品に流れるようになります。

恐慌が起こると、お金持ちも消費を減らします。つまり贅沢品の販売も減少します。

景況がこうなると高級品を生産していた資本家は労働力にかかる費用を減らそうとします。

被雇用者の賃金が減少したり、解雇される結果になるのです。こうして被雇用者階級が使うことができるお金の量が減ると社会全般の消費も減ります

ひとつひとつの事件が連鎖反応を起こすことによって悪循環が発生し、経済は泥沼へと沈んでいきます。

恐慌

恐慌が支払能力のある消費や消費者の不足で起こるというのは、同語反復に過ぎません。

資本主義においては極端に貧乏な人や泥棒の消費を除けば、すべてが「支払能力のある消費」だからです。

商品が売れないのは、商品に対する支払能力のある購入者を探し出すことができないことを意味するだけです。

もし「労働者階級の報酬は生産に見合っていないから、もっと多い賃金を払えば問題が解決する」ともっともらしいことを言う人がいるなら、こう指摘すべきです。

恐慌は、むしろ賃金が上がり労働者階級が生産物の中の多くを賃金として貰う、そのときに準備されていると。

健全で単純な常識を支持する人々の観点からは、そんな時期は逆に恐慌がなくなるのが当然だと思うでしょう。

資本主義的生産は善意や悪意とは関係のない、ある種の状態で構成されており、その状態が労働者階級の繁栄を一時的に限って許しそれが恐慌の兆候となるように見えます。

好景気のときは、金融によってすべての資産が実体より過大評価され、労働者階級も比較的豊かになります。

こうして繁栄を謳歌する労働者階級も浪費する生活を始めるが、それは一時的な現象です。その終末はいつも恐慌です。

繁栄がいつも恐慌で終わり、また繁栄がやってくる。これが周期的に繰り返されるのが資本主義の特徴なのです。

資本主義的生産の動機は蓄積

単純再生産を仮定すると、Ⅰ部門 (生産手段の生産) とⅡ部門 (消費材の生産) からのすべての剰余価値は、一切資本に付け加えられずに資本家の収入として消費されます。

しかし、実際には資本家の収入は剰余価値の一部であり残りのすべては資本に付け加えられます。

実際の蓄積はこれを前提条件として行われます。

蓄積が消費の費用を通じて行われるというのは、資本主義的生産の性質と矛盾する虚像です。

なぜならそれは、資本主義的生産の目的と動機が剰余価値の獲得とそれを資本に変えること(すなわち蓄積)ではなく消費にあると定義しているからです。

資本主義システムでは経済成長のエネルギーは消費にあるのではなく、剰余価値の獲得と資本の増殖にあります。

需要には限界があるのに、資本は自己増殖のために絶えず生産を続けるから、その結果は過剰生産になる。

生産力と消費力の違いーその乖離から不況や恐慌が発生します。 この乖離が解消されない以上、いくら貨幣を多く発行しても、いくら利子を下げても需要や投資が増加することができません。

資本を投資してもそれが増殖することができなければ投資が活発になることもないし雇用が活発になることもできません。

各国の政府がいくら努力しても資本主義の構造的な欠陥により、不況の根本的な原因は解消されません。

恐慌は矛盾に対する回答

恐慌は資本主義の矛盾に対する瞬間的で強制的な解決法です。 恐慌は歪曲された均衡を一時的に元通りに回復する乱暴な爆発なのです。

その矛盾は資本主義的生産が、それが持つ価値や剰余価値、生産が行われる社会的状況に構わず生産力を増大しようとする傾向によって発生します。

資本の目的は、その価値を保持しながらできるだけ最大限の自己拡大をすることです。

資本は既存の価値を利用して最大限自分を増大させようとするが、その目的を成就するために使う方法は利潤率を低下させたり、既存の資本の価値を下落させたり、既存の生産システムを捨てて新しいシステムを導入することなどです。

資本の蓄積速度は利潤率の低下によって鈍くなります。

すると、資本は絶えずこのような障壁を克服しようとするが、その方法はもっと多くの障壁を作ることになります。

資本は自己増殖の欲望により、レバレッジを使おうとします。 レバレッジとは、金融機関からお金を借りて自己資金より多いお金で投資する様子を、レバー(てこ)に見立てた用語です。

例えば、1000万円を投資して500万円を得たら1億円を投資すれば5000万円を得られる計算になります。

レバレッジが多く使われると現実の資産価格が歪曲されていきます。 例えば皆がレバレッジを使って不動産投資をしていると不動産の価格はその実際の価格よりずっと高くなります。

資本主義システムではいつもレバレッジが使われているため資本主義の好況はいつもバブルだと言えます。

最近はコンピュータプログラムによる売買で先物などの派生商品に投資する技法が投資ファンドで多く使われているため、それが農産物の価格を上げています。

ファンドの投資金が農産物先物に多く投資されると、その需要が実際より多く見え価格が歪曲されています。

先物は証拠金さえあればその数倍の先物の取引が可能なので、それ自体がレバレッジ効果を持ちます。 このように金融はレバレッジ効果で資本を誘惑するのです。

問題は、資産の実際の価格が金融というレバレッジによって過大評価されると、価格の小さな下落でも実物市場で借りたお金を返すことができない人が生じることです。

こうなると、連鎖反応によって過大評価されていた資産の価格が暴落してしまいます。

こうして大勢がお金を失い、それが社会全体に広がることで金融機関も連鎖的に破産してしまい恐慌がやってきます。

資本の障壁は資本それ自体

資本主義的生産の本当の障壁は資本それ自体です。

資本とその自己増殖は生産の始まりと終わりであり動機にして目的です。

生産は資本のためのことで、その逆は成立しません。

昔は必要な物を作るために生産活動をしたが、資本主義社会では資本を増大させるために生産活動をします。

前者と後者には根本的な差があります。

必要な物を作るための生産では、金融機関からお金を借りて生産規模を拡大させたり無理をして生産性を高める必要はありません。

他人から搾取する必要もありません。森の中で平和に暮らすドワーフのように適当な食べ物を生産しながら皆で仲良く暮らしていれば良いです。

だが、資本の増殖を目的とすれば、「必要な量を適当に生産する」などというのんきな話は通じません。

できるだけ多い商品を短い時間で生産し、利潤を最大化しなければなりません。

そして、金融からできるだけ多くの借金をしてレバレッジを活用し増殖の速度を加速させなければなりません。

だが生産性の発達は必然的に利潤率を低下させてしまうため、資本を増大させるための努力が逆に自分の成長を鈍らせる要因になってしまいます。

そしてレバレッジの活用も、資産の価値にバブルを起こし、それが一瞬でも崩れると恐慌が訪れます。

だから、資本が成長するときにもっとも恐ろしい障害物は自己増殖を目的とする資本自体だと言うことができるのです。

資本主義的生産の限界

資本主義的生産には限界があります。

第一に、労働生産性の発展は利潤率の低下を伴い、それが周期的に恐慌を通じて解除されなけれはならないことです。

第二に、生産の拡大と縮小は無給の労働で得る剰余価値と使用資本の比率によることで、社会的な需要と供給の関係によることではありません。

資本は実際の需要とは関係なく自己増殖のために生産しているから、それも恐慌の原因になります。

17世紀、当時のオランダは隆盛を極めておりヨーロッパ最大の経済大国だった。

そんな折、オランダにチューリップという新しい植物が紹介されました。

当時は珍しい植物だったから当然高価だったが、その後、狂乱が始まりました。

チューリップの球根の価格が毎日暴騰を続け、1637年2月にはチューリップの球根ひとつが約1500万円の価格で取引されたのです。

そしてその価格は一瞬で暴落しました。チューリップに投資した商人たちは破産し、貴族たちは領地を失ってしまいました。

この事件のせいでオランダの経済は大きな被害を受けました。

今では誰だってチューリップの価値を知っているし、チューリップについて冷静に考えることができます。

しかし、当時の人々にとっては毎日暴騰を続ける植物が、絶好の投資の手段になったことでしょう。

チューリップに投資してお金持ちになった人もたくさんいたから、皆がレバレッジを使って球根の可能性に賭けたのです。

実体経済の世界でAという商品の価格が10%上がると、銀行からお金を借りて2倍の資金で投資すれば、20%の利益を得ることができます。

価格上昇を見た多くの人がこのように投資しようとするから、需要が高まったAの価格は暴騰します。

しかし、非常識的に暴騰した価格はいつか暴落します。すると、借金をしてAに投資していた人々は破産し、お金を貸した銀行はそれを回収できません

これは金融が存在する以上、必ず周期的に発生する現象であり、恐慌が周期的に起こる理由でもあります。

金融

信用制度は国立銀行や、それをとりまく金貸し業者と高利貸し業者を中心とする、巨大な規模で集中された制度です。

それは、この寄生階級に産業資本家を周期的に破滅させる力を与えるだけではなく、もっとも危険な方法で現実の精査に干渉させることになります。

しかし、生産とはまったく関係がありません。

恐慌の中心には金融があります。

恐慌の原因が利潤率の低下、信じられないようなバブル、そして需要と供給に関係がない価格の歪曲などにあることはすでに述べました。

金融は資本の持ち主にレバレッジを提供して、そんな現象をさらに極端な方向へ導きます。

価格は実体とかけ離れていき、バブルは膨らんでいきます。

現代にはたくさんの投資ファンドがあり、それが市場を荒らす主体になっています。

投資ファンドは、過去のように株式や債券への投資に限らず、穀物関連の資産などの実物にも直接投資をしています。

数学者ジェームズ・シモンズが運営する投資ファンド「ルネサンス・テクノロジー」では、人工衛星まで打ち上げて穀物の作況を監視しています。どれだけの資金が穀物関連の投資に投下されているか、うかがい知れる事例です。

だが投資ファンドは穀物自体には関心がありません。

投資ファンドはひたすら利ざやを得るために穀物に投資しています。

そしてそれは実物の価格を歪曲したり、市場を乱したりします。

これは社会の実際の富を生み出す活動ではないし、合法的なゲームを通じて他人の富を自分のポケットに移す行為に過ぎまいのです。

資本主義の暴走と弁証法

資本主義の特徴は、お金持ちはどんどんお金持ちになり、貧乏な人はどんどん貧乏になることです。

10人の住人しかいない世界を想像してみましょう。

彼らはそれぞれ100万円の資産を持っています。だから世界の富は合わせて1000万円です。

そして10人のうち、資本家は1人だけです。 彼のビジネスは急成長しており、1年の間で財産が15%増加しています。時間が経つと何が起こるだろう?

10年後、資本家の財産は400万円を突破していました。それから5年が経つと資本家の財産は800万円を超えます。

この世の富は全部で1000万円だから、残りの9人の財産を全部合わせても200万円です。資本家一人の財産が残り9人の財産の合計の4倍となります。

もちろん現実の世界では資源の採掘などで世界全体の富が増大するから全世界の富が1000万円にとどまることはないですが、重要なのは地球のリソースには限界があるから、世界の総生産は複利で増加することはない、反面、資本家の富は複利で増大することです。

もっと簡単に考えるなら、さっきの事例の資本家が銀行の所有者だとしましょう。

彼は貸し金業で利子を得るから、財産は複利で増大します。 もちろん15%よりは低いだろうが、資本が複利で増大するスピードは、世界の総生産が増大する速度を上回ります。

従って、資本家が持つ富以外の富は減少しなければなりません。

この世に自己増殖する富が存在する以上、お金持ちはどんどん多い富を所有するようになり、それに伴って残りの人の財産は減少していくのが資本主義社会の宿命なのです。

マルクスは「弁証法」によって、このような矛盾を持つ資本主義が、新しい価値観に取って代わられると予想しました。

弁証法とは何か?これは古代ギリシャで「問答法」と呼ばれた方法であり、ヘーゲルによってその形式が確立されました。 インターネットの掲示板のスレッドを想像すれば分かりやすいです。

最初の誰かが、「犬は猫よりも主人を愛する」と主張したとしましょう(命題)。

すると、他の意見を持つ人が「犬は集団生活をする動物だから、そう見えるだけだ。実は猫の方が主人を愛する」と反論します(反命題)。 すると「猫も犬も、表現する方法が違うだけで主人への愛は持っている」とコメントが付きます。

これは命題と反命題を本質的に統合した命題なので、合命題と呼びます。

このような過程を続けて論理的に考えていくと、人間が考え得る、もっとも正しい結論にたどり着くというのが弁証法の概念です。

「命題→反命題→合命題」の形式を「正反合」とも呼びます。

弁証法を簡単に言い換えると「論理的な類推」「科学的推論」にあたります。

マルクスの「資本論」も、「富は商品の集まりだ」という命題から出発し、実に論理的に理論を展開していることが分かります。

とにかくこうして弁証法、あるいは論理的な推論を通じて、資本主義の問題が発覚すれば人々はそれを改革するために立ち上がるだろう、とマルクスは予想しました。

だが結局、共産主義は「次の体制」になることに失敗しました。

この資本主義が永遠に続くのか、それとも他の体制が資本主義を変革したり、あるいは取って代わることになるのか、それはまだ誰も知らない未来の話です。

資本が巨大になるメカニズム

単純再生産

社会は消費を中断することはできないし、生産も同様です。

従って生産過程の全体を見ると、すべての生産プロセスは再生産のプロセスでもあります。

例えば、今年100万円の資本が20万円の剰余価値を生み出したら、その過程は翌年にも繰り返されなければなりません。

周期的に作られる剰余価値を資本家がそれを得るたびに消費してしまえば、それは「単純再生産」です。

この再生産はただ、過去の規模を維持しながら生産プロセスを繰り返すだけだが、不連続なプロセスとは明確に違います。

2つの消費

労働者は2つの方法で消費します。

第一は「生産的消費」です。

労働者は自分の労働で生産手段を消費し、それを投下された資本より高い価値の商品に作り変えます。

これは労働者の「生産的消費」です。これは彼の労働力を買った資本家の消費でもあります。

第二は「個人的消費」です。

労働者は自身に支払われたお金を、自分の労働力を維持するために消費します。

これは労働者の「個人的な消費」です。労働者の生産的消費と個人的消費は完全に別物です。

前者の場合、労働者は資本家に属するが、後者の場合、労働者は自身に属します。

個人的消費

勤務日には、まるでエンジンに燃料を補給するように、労働者は自分の労働力を維持するために個人的な消費をします。これは生産手段に必要な消費でもあります。

労働者の個人的消費は生産的消費になるので資本家は一石二鳥の効果を得ます。労働力を使った資本が生産の手段を維持するために使われたからです。

荷物を運ぶ家畜が草を食べることは家畜が好きでしていることですが、それは生産に必要なことです。

同様に、労働者階級が自分たちの生活を維持したり繁殖したりするのは資本の再生産の必要条件です。

だから資本家は皆、それを労働者たちの自己保存の本能に任せる一方、労働者の個人的消費を必ず必要な限界まで減らすようにします。

社員が会社で長い時間生活するようになると、個人的な消費と業務関連の消費の区別は曖昧になってしまいます。

そうなると、社員が自分のためにしている行為も、まるごと資本家の富を増大させるためのものになってしまいます。

これは資本家にとって一石二鳥です。そのうえ、資本家は社員が労働力を維持できる限界まで社員の個人的な消費にかかる費用を減らそうとし、それもまた資本家の剰余価値を増やしてくれます。

資本家の立場から重要なことは、社員に「自分は自分のために働き、休息している」という幻想を抱かせることです。

巧みに隠蔽すればするほど生産性は高くなり、社員の個人的な消費も資本家のものにすることができます。

労働者は自ら資本につながれる

資本主義的生産は労働者を搾取するための条件を存続させようとします。

つまり、労働者が生存のために労働力を売って、資本家を豊かにしてくれるよう仕向けます。

資本家は労働者が生産した富を利用して労働者を買います。

こうして労働者は市場で労働力の売り手として資本家と出会いますが、実は労働者は自分を資本に売る前から資本に隷属しています。

それは労働力の販売の周期的な更新と雇い主が変わることで隠蔽されています。

サラリーマンの労働が生み出した富は、その一部は会社がサラリーマンを雇用するお金になります。

サラリーマンは富を生み出していますが、それは資本家にタダで渡す分と、自分を資本に隷属させる分になります。

前者は剰余労働が生み出した富、そして後者は必要労働が生み出した富です。

生み出した富のすべてが資本への隷属を強化するという悪循環を起こしています。

これが、いくら社会が発達し、国家が発展しても被雇用者階級が裕福になることがない理由です。

そして、この構造を維持するのは、被雇用者自身の労働です。

一生懸命になって自分の足かせを作っているようなもので、労働者は努力すればするほど自分を資本につなぎ止めています。

資本の蓄積

剰余価値から資本はどう生まれるのかについて調べてみます。

剰余価値が資本に加わって、それが資本になることを「資本蓄積」と呼びます。

資本の蓄積のためには、剰余生産物の一部を資本に転化する必要があります。

そして、その転化は原料などの生産手段と労働者の生活を維持する生活手段のために行われ、それ以外のケースは存在しません。

そして、それらが資本として稼働するためには、資本家階級は追加の労働力を求めます。

こうして資本は賃金に依存する労働者階級をさらに雇い、資本は再生産の過程を通じてどんどん増大します。

資本が生み出した剰余価値の全部、またはその一部を資本家が消費せずに資本に付け加えることで資本は増大します。

再投資による生産手段(原材料と道具)の増加は、それを利用してさらにたくさんの商品を生産するために、追加の労働力が必要であることを意味します。

そこで資本家はさらに雇う。 このような過程が繰り返されることで生産規模は大きくなっていきます。

このような資本蓄積があるから、資本主義のシステムのもとでは、ある軋轢が生じます。

それは規模を大きくしようとする資本家間の軋轢です。

これまでは資本家階級と労働者階級の軋轢が必然的だとしてきましたが、これはもうひとつの争いです。

当然、大きい会社は小さい会社より有利だから、生き残るために資本家は自分の帝国を拡大しようとします。

資本家間の競争は資本家にとっても厄介だが労働者階級にとっても良いことではありません。

資本家間の競争がある以上、労働者から搾取できるだけ搾取し、剰余価値を絞りだす資本家が生き残るようになるからです。

資本家が皆、単純再生産で満足すれば、そんなことは起こりませんが、残念ながら資本というものは自分を拡大させようとする性質があります。

そして競争がある以上、資本はただ拡大するだけでなく、できるだけ早く拡大しなければなりません。

だからこそ、労働者から剰余価値を限界まで絞り出さなければならないのです。

貨幣資本の循環

貨幣資本の循環は3つの段階でできています。

1. お金→商品 (資本が資本で生産手段 と労働力を買う)

2. 商品⇒生産プロセス⇒商品’ (資本家は生産手段と労働力で商品を生産する)

3. 商品’→お金’ (資本家は自分が生産した商品を売り、お金を得る)

1段階における「お金→商品」における商品は、労働力と生産手段とで構成されます。

資本家が商品として買った労働力と生産手段は、生産のための生産資本です。

循環全体 お金→商品⇒生産プロセス⇒商品’→お金’

ピザ屋を例に考えてみましょう。 ピザ屋を開店した主人(資本家)は、お金で料理に必要な石窯やナイフやフライパンなどの道具を買います。 そして小麦粉やハム、ピーマン、チーズなどの原材料を買います。

これら道具と原材料は不変資本です

そして彼は、自分の従兄弟を調理を担当するシェフとして雇います。 それを手伝うアシスタントやサーブを担当する店員も雇います。 彼らは可変資本です。

お金で買った商品ー原材料と道具と労働力ーは、生産プロセスにより最終的には商品であるピザへと変身します。

ピザを作るためにかかった小麦粉やチーズなどの費用は自分たちの価値をそのままピザに移します。石窯などの道具にかかったお金は、その減価償却の分をピザに移します。

これら不変資本は最初購入した価値以上は生み出さず自分の価値をそのままピザに移すだけです。

だが、雇ったシェフやアシスタントや店員の労働は自分がもらう賃金以上の価値を生み出します。こうしなければ、店の主人は利益を得ることができません。

資本家が買った商品は、生産プロセスを通ったあとは「商品’」、つまりピザになるが、その価値は生産プロセスを通る前より増加しています。その増加分は雇ったシェフや店員などの労働力から出たものです。

生産資本の循環

生産資本の循環は、次のように表現されます。

生産資本→商品→お金→商品’→生産資本

生産資本は労働力と生産手段でできているから、この循環は次のように整理できます。

↗︎労働力 生産資本⇒商品→お金→商品’ . ↘︎生産手段⇒生産資本’

拡大再生産の場合、この循環で生産資本が増大する。

単純再生産の場合、この循環で生産資本の規模は変化しない。

前項目と違い、生産資本を中心とした循環を描いています。

生産資本とは生産に使われる資産を意味します。ピザ屋の場合だと石窯やナイフ、フライパンといった料理道具などキッチンのシステム全体が生産資本にあたります。

「生産資本⇒商品」は、オーブン(生産資本)からピザ(商品)が出てくるところを想像すれば理解しやすいです。

そして「生産資本⇒商品→お金→商品’」は、そのお金でさらにピザを焼くために、新しい小麦粉やチーズ、労働力を買うところまでを見せてくれます。

「商品’」が労働力と生産手段に分かれます。

労働力は店員やシェフに支払う賃金そして生産手段は小麦粉やチーズを買うことです。

生産手段には道具が含まれ、石窯やナイフが摩耗したら、交換するのにもお金がかかります。

そして摩耗を別にして、ピザ屋が人気を呼んでお客の数が増え、石窯を増設するようになれば、それは生産手段が増加することです。

石窯の数が増え、生産の規模が増大すると、それは生産資本が増えたことを意味します。

もし店の主人が大きなピザ屋の経営を目的としていれば、彼は生産資本の規模を増大させることに注力するでしょう。

資本家が資本の規模を増大させて競争力を保とうとすることは、とても自然です。