
前進する前に、まずはこれまでの道のりを振り返り、最初にコースを外れた原因を探るべきです。
どこで進路をまちがえたかを知るための時間をもたなければ、過去と同じ過ちを繰り返しかねません。
このとき葛藤を感じる人の場合、その原因と発端は子ども時代に教えられたことにまでさかのぼります。
両親や教師が、彼らもまた両親から教わったまちがった人生訓をあなたに伝えたのです。
こうした教えとは、一見、良識的な真実であるようだが、実は情熱をあきらめろと説き伏せようとする危険な嘘です。
この嘘は気づかないうちにあなたの意識に入り込んでいます。
「感情に流されてはいけない」という嘘もその一つです。
感情のままに行動してしまったらきっととんでもないことになるーそんな思い込みは根強く、これが原因で、人は人生が与えてくれるはずのものをたくさん失っています。
しかし、歴史に名を残している人たちを考えてみるといいです。彼らは果たして「感情に流されなかった」人たちだろうか。
- ジョージ・ワシントン (米国初代大統領) は感情のままに行動した。
- ライト兄弟 (飛行機発明家) は感情のままに行動した。
- エリノア・ルーズベルト (大統領・社会運動家) は感情のままに行動した。
- マーチン・ルーサー・キング (公民権運動指導者) は感情のままに行動した。
例をあげたらきりがありません。「感情に流されて」行動しなければ自分の力を存分に活かすことなどできないのです。
「感情に流される」という表現は、本当のところ適切ではないかもしれません。
自分の感情を信じて身をまかせるといっても、自分をコントロールできないほどひどい状態を意味するわけではありません。
自分の中にあふれるパワーの源を見つけ、そのパワーに元気づけてもらう、という意味です。たとえ「感情に流されて」いるときでも、自分の行動はしっかりとコントロールできます。
また「怠け心には悪魔が忍び込む」という嘘もあります。
今の社会では、何もせずに黙ってじっとしていることなどめったにありません。
事実、我々の近代文明は、静かな孤独を軽蔑しているかのように思えます。
活力を取り戻し、自分を見つめ直すための時間は、心と身体に必要なものです。
そういう時間がないと、次第に消耗し、やがては本当の自分を見失い、人生で何をしたいのかを忘れ、忙しく動き回るだけの生活を選ぶようになります。
意義ある目的を失ったまま行動し、人生の大海原であてもなく漂うことになってしまうのです。
外界の雑音を完全に閉め出す時間を持つと、自分自身の内なる声がよく聞こえるようになります。
静かに黙想する時間の中で、人生の深遠や意義を取り戻せるのです。
そして浮かび上がってくるのが、人生の目的と情熱ーこの二つは、素晴らしい人生を手にするために必要不可欠な要素です。
まちがった思い込みが足かせとなってしまうと、ワクワクすることにあふれる人生を実現できず、果たすべき使命もまっとうできなくなります。
たとえばこんな言葉に押しとどめられます。
「我慢しなさい」 「まわりに合わせて、波風を立てないように」 「感情に流されないように気をつけて」 「人の期待を裏切らないような生き方をしなさい」
このような思い込みが妨げとなり、自分の情熱を見つけてその情熱のままに従うことができなくなっています。
ずっと夢に見てきた人生を実現できずにいます。
キャリアの成功のために、古い殻を脱ぎ捨てるように、こうした根強い思い込みは捨て去ってしまいましょう。
⭐️ まちがった思い込みのせいで夢に見てきた人生をあきらめない。