そこそこで満足しない

エグゼクティブが、才能を十分に活かしきれないもう一つの要因は、才能を使わずにさびつかせていることです。

今のポジションでは自分本来の才能を発揮できないというのに、その仕事が「そこそこ」できればいいと考え、とにかく「現状維持」に努めようとします。

そういう人は自分の才能を活かすことも伸ばすこともしません。かわりに、まわりからの期待を裏切らないように最低限必要な能力だけでやっていきます。

自分の切り札を使うのではなく、まわりに求められていると思うもので応えようとします。

決して優秀な結果が出てくるわけではないですが、失敗することもありません。自分のもっとも優れた力を最大限に活かすのではなく、組織が何を期待しているかを考えてそれに合わせようとする。

これでは、生まれ持った潜在能力を活かしていないのだから、何とかこなす程度でそれ以上のことはできません。

使っていない能力は休眠状態に陥り、才能がさびついてしまうとキャリアにもひびきます。

だれもがもっとたくさんの潜在能力を持っているのに、開花させることもなく終わってしまうとは、本来達成できたはずの成功よりも小さな成功に甘んじることになります。

ビジネスで成功するには、あなたの才能を最大限に活かすことです。

このことを実証しているのが、プロゴルファーのブラッド・ファクソンです。

1984年の賞金ランキングでは124位で、何とかプロの資格を維持している状態でした。それでもウェッジとパターの技術は素晴らしいと認められていました。

彼は自分が苦手とするボールをまっすぐ飛ばすことと、スウィングをパワーアップすることばかりに練習時間を費やしていました。

そのころ、著名なスポーツ心理学者ボブ・ロテラと会って、力を注ぐところをまちがっていることを悟らされ、得意なことに集中するようにと励まされました。

「世界一の飛ばし屋になる必要などない。グリーン周辺のプレイではだれにも負けないし、気持ちだって負けていないんだから」とロテスは言ったという。

このアドバイスを心に留め、ファクソンはグリーンでのプレイだけに集中して、さらにその力を伸ばしました。

全米プロゴルファーでも、パターではファクソンが最高だと広く認められるようになりました。結果、ライダーカップ米国代表チームのメンバーに二度選ばれ、1996年には賞金ランキング8位の座に輝きました。

ロテラはファクソンの成功についてこう語っています。

「彼は、他の人のようにプレイしたいと望むのをやめ、自分のゲームのやり方を愛せるようになったのです」

⭐️ 本来できたはずの成功よりも、小さな成功に甘んじない。

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