自分の才能を見つけるためのもう一つの徴候は「満足感」です。
才能を活かして何かに取り組んでいるときや、特に努力して自分の能力が向上したとわかったときには、気分が良いです。
才能を発揮しているときには、自分は意義のあることをやっているという強い満足感が伴うものです。
かつて大手販売会社のコンサルティングをしていたとき、二人の地区統括マネージャーと会いました。
担当地区が別々ということを除いては、二人の仕事内容はまったく同じで、地区内の各店舗の店長経験もそれほど差はなく、売上報告の数字もほぼ同じでした。
一人目の名前はトム、キャリアのほとんどを地区統括マネージャーとしてやってきた人です。
トムはこれまでに数社、全国的に事業展開する企業に勤めた経験があります。そこでもだいたい地域の統括管理の仕事をしていて、支店訪問でずっと出張ばかりしてきました。
50過ぎという年齢にもかかわらず、いつも過酷な出張スケジュールをこなしています。社内の人望も厚く、新米の地区統括マネージャーを指導する役目を引き受けることも多いです。
もう一人はジュディで、地区統括マネージャーの地位に就いて10年以上の上昇志向の強い女性でした。
残念なことに彼女は他人と一緒に働くという才能に欠けていたため、店長たちとの関係はひどい状態になっていました。
数年にわたり、個別コンサルタントでもジュディを見てきました。やがて彼女は、仕事が嫌いでたまらないと打ち明けました。
しかし、今の地位を得るためにずっと頑張ってきたのだから辞める気にはなれないし、別の仕事で同じくらいの給料を得られるかどうかも不安だ。
そう言っていた彼女は、合わない仕事で成功をつかもうとしたストレスがたたって、とうとう会社を辞めてしまいました。
トムはジュディより20歳も年上という年齢をものともせず、さらに快進撃を続けました。
仕事のプレッシャーも、彼にとっては自分の力の限界を試す挑戦のようなもので、みずから進んで喜々として取り組んでいました。
トムは自分の仕事にとても満足していました。
二人の違いは、才能がもたらす満足感があるかどうかです。 仕事により、トムの心には栄養と潤いが行き渡りました。 一方、ジュディの心は干上がり、消耗してしまいました。
自分の才能に向き合っている場合は、トムと同じ状態にいることができます。
大きなプレッシャーを抱えて、肉体的には疲れ切っているとしても、心は満たされ、前向きな気持ちで仕事ができるでしょう。
これだけで最高の人生を手にできるという保証にはならないが、最高の適所を見つける目印にはなります。
⭐️ あなたは喜々として仕事にとりく めていますか?
