才能とは何かを理解する

才能とは生まれ持った潜在的な能力で、得意分野を決定します。 どのような人生を送るかは才能から始まり、その才能を本人がどう扱うかによって決まってきます。

仕事であれ何であれ、とにかくあなた独自の才能を発揮するのに妨げとなっているものがあると、最終的な満足感も目標達成の可能性も失われて、最高の人生を実現できなくなります。

才能とは何かを理解するために、まず知っておいてほしいものが二つあります。

「アドバンテージ(強み)」と「スキル(技術)」

自分を他人よりも有利にしてくれるものが「アドバンテージ」です。 いろいろ考えられますが、いくつか例をあげると、学歴、財産、頭の良さ、人を惹きつける性格といったものがあります。

ただし、アドバンテージは才能を後押しするだけのものであり、決して才能そのものになることはないです。

しかし、人事採用にあたっては、残念ながら、このアドバンテージと才能とが、混同されることが多いです。

実際、履歴書を書くこと自体がアドバンテージ側に傾いた行為だといえます。

学位や資格、課外活動、立派な身元保証人といった事項を履歴書に書き並べるのは簡単ですが、才能を言葉で表すのは難しく、説得力のある表現で伝えることはなかなかできません。

ただ、アドバンテージは才能の強力な味方になってくれます。

経理の才能があるのなら、会計学の学位を取得し、会計士の資格を持つことで才能が大きく後押しされるでしょう。

学歴と同じく、知能の高さは才能ではなくアドバンテージです。

1912年、スタンフォード大学の有名な心理学者ルイス・ターマン教授は、知能指数がその人の一生に及ぼす影響について研究を始めました。

天才児レベルの知能を持つ1470人の子どもを選び出し、その後の人生を追跡調査しました。彼の引退後はロバート・シアーズとポーリーン・シアーズの両博士に引き継がれました。

半世紀に及ぶ研究の末、研究結果が発表されました。

それによると、対象者のうち、立派な成功をおさめた人と、あまり成功しなかった人や失敗した人、その運命を分けたものは「慎重さ、思慮深さ、意志の強さ、忍耐力、希望といった資質のほか、才能に適した道を選び、その道に専念して努力したかどうか」だといいます。

研究対象になった子どもたちも今では老齢に達し、知能だけでは人生の成功は保証されないということを体現しています。

成功した人たちは自分の才能を信じ続けることで成功したのです。

もう一つ、才能とよく混同されるのが、「スキル」です。

スキルは訓練を繰り返すことで身につけた能力で、その分野に必ずしも才能があるとは限りません。

だれもが自分の体得したスキルをいくつも並べ上げることができると思いますが、やっていて特に楽しいと思えなかったり、ほとんど才能が感じられないようなものもあるはずです。

スキルの中でもよく才能と混同されるのが、実戦経験です。

長年一つの仕事をやってきたからといって、その仕事が得意だとか、うまくこなす力があるとは限りません。

教育と同じで、才能は経験によって伸びていきます。

ある仕事に才能を持っている人は、その仕事をしていく中で才能を発展させて成長していき、経験を積めば積むほど力をつけていきます。

しかし、その仕事に関する才能がないまま経験を重ねたとしても、平均的な結果しか出せないし、成長も望めません。

何より憂うべき点は、貴重な時間とエネルギーを才能のない仕事に浪費して、本当に才能のある分野で成長して成功するために使っていない、といことです。

一般的に「性に合わない」仕事でも、苦労を重ねて新しいスキルを身につけていくのが出世への道だと考えられています。

これが実践されると、新米の管理職たちは、オールラウンドに何でもこなせるエグゼクティブになるためという名目で、自分の興味も情熱も才能も顧みることなく、自分に適していない部署を渡り歩くことになります。

しかし本当のところ、自分に合わない仕事を経験しても、せいぜい新しい知識を得るという程度で、新しい才能を発揮するようになるわけではありません。

こうした道をたどって出世する人というのは、それぞれの任務に自分の能力を活かすチャンスを見つけた人たちなのです。

⭐️ 学歴、知能、経験は才能の味方だが、才能そのものにはならない

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