最後に必要なのは、物理空間での知識
瞑想によって情報場の因果関係を書き換えれば、その情報因果は情報空間から物理空間へと影響を与え、物理空間で現象化します。
情報因果を自らコントロールすることで、世界や自分を思いのままに書き換えることができるのです。
ただし、物理空間で現象化するには、一つの条件があります。
それは「物理空間の制約」をふまえることです。
物理法則の制約がほとんどない場合については、情報因果の影響がスムーズに物理空間へと流れて現象化します。
トラウマが脳神経の傷となり、病気へと発展していくのは、こちらのケースに当たります。
逆に物理法則の制約が大きい場合は、情報因果を物理空間に落とし込むときに、物理空間での仕上げの作業が必要になります。 それが「インプリメンテーション(実装)」です。
情報因果を物理空間に実装するときに不可欠なものは知識です。
物理法則に関する知識だったり、何かものを作るための知識だったり、人間社会の仕組みに関する知識だったり、物理空間の事象に関わる広範で専門的な知識です。
瞑想力は、物理空間のインプリメンテーションとセットになってはじめて、この世界や自分を書き換えるための圧倒的なパワーをもつのです。
インプリメンテーションの重要性については、コンサルティングとコーチングの違いを例に挙げて説明しましょう。
経営コンサルタントは、たしかに瞑想力にすぐれています。
クライアント企業やマーケットの状況(情報)を高い抽象度で分析し、情報因果を組み立て、相手が抱えている問題を解決するための斬新な経営プランを提案できます。
ところが、彼らはあくまで外部の人間であり、クライアントや業界に関する具体的な知識量が足りていません。
たとえば、かつて三菱銀行に来た外資系経営コンサルタントは、三菱銀行のトップに「三菱の名前をやめろ」と提案したそうです。
たしかに社内の人間では絶対に思いつかないような、まさにスコトーマになっていたプランですが、経営陣は決断できなかったようです。
経営コンサルタントは社外の人間ですから、インプリメンテーションを行う具体的かつ実際的な知識が豊富ではありません。だからつねに問題解決ができるわけではないのです。
一方、コーチングの場合は、クライアントのスコトーマをはずしたり、情報因果を組み立てるサポートはしますが、スコトーマをはずすのはクライアント自身です。
なぜならば、圧倒的な知識量をもつクライアント本人のほうが明らかに実装力があり、実際に問題を解決できる可能性が高いからです。
