自我を離れることができれば、情報空間の場の因果関係を、自由自在に見ることができるようになります。
「ナートマン」とは、「アートマン」の否定形で、仏教の本質的、中心的な考え方です。
ちなみに、ナートマンもアートマンもどちらもサンスクリット語です。
サンスクリット語では言葉の先頭に「n」をつけると否定形になるので、「atman(アートマン)」が「natman(ナートマン)」になるわけです。
アートマンは、バラモン教におけるもっとも重要な概念の一つで、宇宙の根本原理であるブラフマンと対になる存在であり、よく「真我」と訳されます。
人間がどれだけ輪廻転生を繰り返してもつねに続くもののことであり、人間の肉体の生滅にかかわらず、未来永劫変わらない、永遠不変の存在と考えられています。
釈迦はアートマンを否定しました。人間の自我は永遠不変の存在ではなく、雲のように変化しつづけるという「非我(ナートマン)」の思想を説きました。だからこそナートマン瞑想は、仏教の基本となっているのです。
ナートマンは「自我が存在していない」と言っているのではありません。
「自我は存在している、しかし変化し流転するものとしてある」、つまり「あるともいえるし、ないともいえる」と言っているのです。
ナートマン瞑想は、つまり「空の瞑想」です。
空の解釈として「この世界のすべての存在をダイナミックかつ多次元的にとらえ、それらすべての関係の中心に自分の心があり、自分の心がすべての存在、すべての事象を生み出していると考えること」
あなた自身もこの世界も空だからこそ、自分の心をコントロールすることで、すべてを自由自在に書き換えることができるのです。
ナートマン瞑想を実践すれば、自分や世界の情報因果を自由自在に見ることができるようになります。
これまでと違う情報因果を選ぶことができれば、自分や世界のあり方を変えることができます。
それが、「自分や世界を自由自在にコントロールする」ということです。
