スコトーマをはずそう 「写真縁起瞑想」

目次

解説

この「写真縁起瞑想」も、あなたやこの世界を生み出している縁起(因果関係)を正しく見るための瞑想法です。

みなさんの身の回りには、とてもたくさんのものが存在しています。

しかし、みなさんは日ごろ、自分が重要だと思っているもの、興味があるもの、深い関わりがあると思っているものしか見ていません。

そのことはスコトーマの原理で説明できます。スコトーマになっているもの(あなたの脳が重要だと思っていないもの)は認識できていません。

スコトーマの原因となっているのは、あなた自身の過去の記憶、テレビや新聞などのメディアによる洗脳、親や教師による洗脳などです。

ワーク

①背景を広めに入れて、誰かにあなたの写真を撮ってもらう。場所はどこでもいいが、できるだけまわりにいろいろなものがあったほうがいい。

②写真をプリントアウトして、自分とまわりのものとを線でつなぎ、因果関係を書き込んでいく。因果関係は、あまり難しく考えず、思いつきでかまわない。

この「写真縁起瞑想」をやると、自分の身の回りのいろいろなものが認識できる(見える)ようになり、自分や世界が立体的に広がっていきます。

そして、それまでの自分がいかに限られたものしか見ていなかったか、平面的にしか世の中を見ていなかったかが理解できます。

同じ物理空間に存在するということは、情報空間で強い因果が働いているものなのです。

すべてのものの関係を見よう「因果関係瞑想」

解説

この世界はすべて「双方向の因果関係」です。

たとえば「円」をイメージしてください。

円の中心には必ず「点」があります。点の定義は、円の中心であり、円が存在してはじめて点を定義できます。

この場合、円が「因(原因)」で、点は「果(結果)」です。

次に円を描くときを考えてください。

円を描くとき、コンパスを使います。コンパスは中心となる場所(点)に針をおいて、ぐるりと円を描きます。

つまり、点があるから円が描けるのです。この場合、中心となる点があるおかげで円が存在できるので、点が「因(原因)」で、円は「果(結果)」です。

先ほどと因果関係が逆転してしまいました。

さて、ここで一つの疑問がわきあがってきます。

「円が先にあって、その中心として点が存在するのか」

「点が先にあって、その点の周りに等距離で線を引くために円が存在するのか」

もっと単純に言えば、「円のおかげで点があるのか」「点のおかげで円があるのか」

実はどちらの考え方も正しいのです。

この世界のすべての事象は、つねにほかの事象と「双方向的」に関わり合って存在しています。

「AがあるからBがある」という因果関係が成り立てば、「BがあるからAがある」という因果関係も成り立つわけです。

この双方向の関係性をしっかりと認識することも、「正しく見る」ことの一つです。

このワークではいつもの因果関係をひっくり返して見ることで、双方向の関係性を認識するトレーニングを行います。

ワーク

あなたの目の前に、テーブルの上に乗っているコップがあるとします。

この「テーブル」と「コップ」の因果関係を考えてください。

テーブルはコップにとってどんな存在でしょう。また、コップはテーブルにとってどんな存在でしょう。

テーブルはコップにとって上に乗るもの。テーブルがあるおかげでコップはコップとしてあなたの目の前に存在することができます。

今度は逆を見てみましょう。

コップはテーブルにとって上に乗せるもの。

コップが乗っているおかげでテーブルは、作業台や足場としてではなく、テーブルとして存在できているのです。

このように因果関係をひっくり返して見ることを、身の回りのものに対してやってみてください。

たとえば、

  • 仕事机の上にある「パソコン」と「書類」の因果関係 答:パソコンは書類にとって、文書の中身を作成するもの。 書類はパソコンにとって、作成した文書を紙に印字するもの。
  • 食卓の「皿」と「フォーク」の因果関係
  • 公園にいる「犬」と「子供たち」の因果関係

など、何でもいいのです。

このように因果関係をひっくり返して見ることで、普段とは違う角度から身の回りのものを見ることができるようになり、身の回りのものの今まで見えていなかった存在意義や価値を見出すことができ、その結果、世界の見え方が変わってくることを実感できます。

抽象度を上げた視点で見よう 「統合瞑想」

解説

因果関係を逆転して見ることで、認識の抽象度はかなり上がっていますが、さらに上げる方法があります。

それは「AとBの両方を統合する因果を見ること」です。

先ほどのコップとテーブルの例でいえば、「因果関係瞑想」によって、「コップはテーブルの上に乗っかっている」「テーブルはコップを下から支えている」という因果関係が見えました。

このように見ることで、抽象度はすでに大きく上がっています。

しかし、コップとテーブルの両方を統合する因果関係があります。

それはたとえば、「コップもテーブルも同時に地球の引力に引っ張られている」「だから、コップはテーブルの上に乗り、テーブルはコップを支える、という関係が成立している」ということです。

コップとテーブルを統合する因果を見ようとすることで、おのずと一つ上の抽象度、この場合は「地球の引力」という高い視点の因果関係を見ることができるのです。

また時間因果の例でいえば、「時間因果は過去から現在、未来へと流れている」という見かたと「時間因果は未来から現在、過去へと流れている」という見かたがあります。

これらを統合する因果関係を見ようとすれば、「双方向に流れているということは、そもそも時間は流れていないのと同じである。因果関係は『過去→現在→未来』『未来→現在→過去』のどちらの方向にも自由につなげることができる」と一つ上の抽象度、この場合は「時間は流れていない」という高い視点の関係性を見ることができます。