マルクス経済学の核心を要約すると、労働価値論という基盤の上に、剰余価値論を乗せた考え方と表現できる。
剰余価値論は、「労働が社会の価値を生み出す唯一のもので、資本は今まで労働者が生み出した剰余価値によってできている」という理論です。
新古典学派の核心理論である限界効用理論によると、効用を最大にする均衡点、あるいは需要と供給の均衡点で商品の価値が決まります。
需要が多ければ価格が上がり、供給が多ければ価格は下がり、両方のバランスが合うどこかで、その商品の価格が決まります。
新古典学派によると、商品に含まれる労働の量は商品の価格を決める要素ではありません。
しかし、それに対する反論もあります。
例えば、自動車業界においては、生産性の改善のおかげで車の価格がどんどん下落してきました。
しかし、いくら自動車の生産が需要よりも多くなっても、その価格が100円になることはあり得ません。
それは、自動車がいくら過剰に生産されようと、その生産に必要な基本的な労働量が一定以上だからです。
これは価格がただ需要と供給のみで決まるのではなく、ひとつの商品を作るために必要な労働の量も価格を決めるということを示しています。
剰余価値論は、労働が生み出す価値と、労働力の差によって発生する剰余価値が資本を増大させる、という理論です。
労働価値論によれば労働こそ富を生み出す唯一の源だから、資本の増大は労働者に支払う給料より、彼らが生み出す労働の価値が大きい時に発生すると考えられます。
労働価値論さえ成立すれば剰余価値論は自然に導き出せます。