脳には2つのクセがあった

神経細胞が集まって構成された脳組織では、好きになる、理解するなどといった機能が生み出されますが、この機能を守るために第2段階の本能が生まれます。

それが、「自己保存」と「統一・一貫性」という2つの「脳のクセ」です。 前者は「脳は自分を守ろうとする」、後者は「脳は統一性、一貫性が保てなくなるような情報を避けようとする」ということ。自己保存は、「生きたい」という本能に根ざしたものでもあります。

2つのクセは、脳が発達するプロセスで獲得する、いってみれば後天的な本能で、とくに成長に伴って自我が芽生えると、より顕著に表れてきます。

「自己保存」は「生きていくために自分を守る」という意味で大変重要ですし、「統一・一貫性」は「正誤を判断する」「類似するものを区別する」「話の筋道を通す」といった、プラスの作用をもっています。しかしその半面、脳が間違いを犯したり、脳のパフォーマンスを落としたりする原因になることもあるので、注意が必要です。

非常にわかりやすいのが、「自分と反対の意見を言う人を嫌いになる」という反応です。冷静に考えれば、意見が違ったからといって、それを言う人のことまで嫌いになる理由はないはずです。

ところが、脳は自らの意見と異なるものを「統一・一貫性」からはずれるために拒否します。また「自己保存」が働くことによって自分を守ろうとするため、相手の意見を論破しようとすることさえあるのです。


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