「こころ」はいかにして生まれるのか

脳は身体の状態に常に影響を与えているが、その一方で、全身の感覚は、感覚系を通して脳の機能に大きく影響している。 また、末梢のさまざまな臓器も、自律神経系や内分泌系を介して常に脳に情報を届けており、「こころ」の機能にも影響を与えている。

脳は、感覚系や神経系、内分泌系を介して全身と接続されている。 脳と全身は、ユニットとして機能している。

「こころ」の源泉は脳で生成され、脳は全身の器官に影響を及ぼして「こころ」を表現する。その一方で全身の器官もまた、脳に情報のフィードバックをして感情や気持ちを修飾し、「こころ」を変化させる。

多くの人が理解している通り、脳が「こころ」の主座であることは間違いない。そして、多くの人は、「こころ」は高度な精神機能であり、その働きには、脳の中でもっとも進化した大脳皮質が大きな役割を果たしていると考えているかもしれない。

しかし、大脳皮質が「こころ」に果たす役割は実は多くの人が想像するよりずっと少ない。

確かに大脳皮質は高度な情報処理システムではあるが、感情の動きや、性格傾向、行動選択などの「こころ」の本質をつくっているのは、もう少し脳の深部にある構造なのである。

そこでつくられている、「こころ」の本質に深く関わっているものを「情動」という。

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